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2010年に開かれる南ア共和国ワールドカップに向けて疾走している南北のサッカーチームが、1日にソウルのサンアム競技場で真剣勝負をした。

競技場に行った記者は、レッドデビルスの応援席のすぐ側に座った。遠い故郷から来た北朝鮮の選手たちの姿を直接見たいという気持ちもあったが、北朝鮮の選手に対する韓国の人の視線と態度はどうなのか、とても気になっていた。

北朝鮮が長距離ミサイルの発射に突入して、開城工団の職員を強制的に抑留している状況の中、韓国の観衆たちが北朝鮮の選手を異邦人のように眺めるのではないかという心配が先立ったからだ。

FIFAの規定に従って、競技が始まる前に南北の国旗が掲揚されて国家が響いた。北朝鮮の選手たちが「朝は輝けこの江山~」と声をそろえて歌った時、やたらと心配して緊張していたのは、たぶん記者一人だけだっただろう。サンアム競技場の5万の観客は、明るい表情で式典を見守っていた。平壌の5.1競技場だったらどんな雰囲気だっただろうか。太極旗が掲揚されて韓国の愛国歌が響いたら、北朝鮮の住民はどうしたらよいか分からずに荒てたはずだ。突き刺さるような保安員の目つきに、観客の撫?竡p勢はすぐにこわばるだろう。それが南と北の差、自由を享受した人とそうではない人の差だ。

大韓民国は、取るに足りないせせこましい国ではなかった。韓国の観衆たちはスポーツ精神と礼儀を発揮することができる人たちだった。北朝鮮の選手が入場する時から熱狂的な拍手で歓迎して、北の選手が韓国のゴールポストを脅かした瞬間も惜しみない歓声を送った。

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韓国選手のシュートが北朝鮮のゴールキーパーイ・ミョングクに遮られるたびに、観衆の残念そうなため息が競技場に響いた。けれども、すぐに雷のような拍手でイ・ミョングクのファインプレーを激励した。

水原から来たという人に、「北朝鮮の選手を見たらどのような気分になりますか」と聞いた。その人は、「南北間の競技は見ること自体が楽しい。私たち(韓国)が勝てばもっと良いというのが本心だけれども、北朝鮮の選手も競技で良い成績をおさめたらいい」と明るく顔をほころばした。

結局競技の勝敗はキム・チウのツマ先で決着した。キム・チウは後半43分で右側のコーナーからのフリーキックを左足で受けて蹴り、北朝鮮のゴールネットを揺らした。1対0、韓国の勝利。終了のホイッスルが鳴った後、うなだれたまま競技場を出る北朝鮮の選手たちの後ろ姿があわれだった。

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北朝鮮に帰って指導員や選手が受ける圧力を思うと、スポーツ精神で駆け抜けなければならない彼らが、政治宣伝の陰で周囲を気にしないといけない現実が思い出される。

実は、南北の国家代父Tッカーチームは16年間勝敗を決めることができなかったほど、実力は紙一重である。北朝鮮の選手も自由に外国のサッカーリーグに進出することができるようになれば、きっと戦力は倍増するだろう。

金正日体制が終わり、北朝鮮が改革開放に乗り出す時、サッカーの南北対決の性格が違ってくるだろう。記者は統一韓国代表選手選抜のための南北戦を想像しながら、競技場を出た。文字通り、「勝敗とは関係なく」全民族を熱狂させることができるゲームになるのではないだろうか。