2日に妥結された韓米自由貿易協定(FTA)で、開城工業団地の製品に対する韓国産認定の可否と関連し、‘朝鮮半島域外加工地域委員会’を設置して、朝鮮半島の非核化の進展などによって、追加して結論を下すことになった。
アメリカは、依然として開城工業団地の製品の韓国産認定を受け入れないという立場をとっている。しかし、韓国側は‘開城工業団地の製品はFTAの交渉の対象にならない’という米国側の原則から、条件付きの変化をもたらしたと考えている。
開城工業団地の進出企業及び関連団体は、一応今回の交渉を歓迎する立場だ。朝鮮半島の非核化問題と、北朝鮮の労働環境の改善という先決課題が残っているが、開城工業団地の製品が韓国産と認められる最小限の根拠を用意したという点に意味があると見ている。
南北フォーラムのキム・ギュチョル代表は、“国際的条件上、開城工業団地の製品の韓国産認定が難しい状況で、可能性が開かれたことを歓迎する”と述べ、“開城工業団地の製品が韓国産と認められ、輸出の条件が大幅に改善されることを期待する”と語った。
一般的な原産地判定基準によれば、開城工業団地の製品の海外輸出の際、大部分が‘北朝鮮産’と判定される可能性が高い。北朝鮮がこの間、アメリカの対敵性国交易法などによって制限を受けてきたのを見ると、原産地の韓国産認定問題は、容易に解決されないだろう。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面金代表はこれについて、“開城工業団地の企業は、事実上アメリカという大市場に輸出することができる条件に至っていない”と述べ、“国内の内需市場だけでは限界があるのが明らかな状況で、開城工業団地の製品の韓国産認定は大きな意味がある”と強調した。
開城工業団地入住企業協議会のイ・イムドン部長は、“開城工業団地の製品に対する韓国産認定の可否は、輸出市場での価格競争力で多くの差をもたらす”と述べ、“企業にとってはとても重要な問題”と語った。
ユン・キクアン忠南大教授も、“主として中小企業である開城工業団地の企業の輸出量の増大のために、必ずアメリカの市場への進出が必要だ”と述べ、“このため、開城工業団地の製品の韓国産認定は必ず必要だ”と明らかにした。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面ユン教授は“ただ、この問題を解決するには、北朝鮮の核問題の完全な解決と、北朝鮮の労働者に対する人権の伸張という、アメリカの先決条件に対する解決が必要だ”と指摘した。
◆ 各種の懸案問題、先は遠い = 今年4年目入る開城工業団地事業は、韓国産認定問題以外にも、各種の懸案事項に直面している。
核心的な懸案として注目されている事案は、開城工業団地を訪問したり、長期滞在をする時に支払わなければならない手数料の問題だ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面先月の25日、南北は開城工業団地訪問の時、北朝鮮から発給される招請状の代わりに、開城工業地区管理委員会(管理委)が発給する出入証を受けて、開城工業団地に出入りすることで合意した。これと共に、北朝鮮は出入証の発給及び滞在、居住の登録の時に、一定の手数料を受けることにした。
問題は北朝鮮側が行政上の必要経費をはるかに超える手数料を要求していることにある。南北はその水準に対して交渉を続けているが、意見の差を縮めることができないと伝えられた。
キム・ギュチョル代表は、“現在、北朝鮮が手数料の名目で訪朝ビザの発給を受けるのに必要な50ドルをかなり超えた金額を要求すると把握している”と述べ、“これは外国人の長期滞在者に対して、印紙税が一番高い国であるベトナム(160ドル程度)よりも高い水準”と主張した。
キム代表は“この場合、結果的に滞在費または居住費の名目で要求される可能性がある”と述べ、“政府が交渉をしているが、北朝鮮側が一方的に出る可能性もある”と憂慮した。
更に、“そのようになれば、進出企業の競争力は低下するしかない。企業は到底受け入れられない”と付け加えた。
イ・イムドン部長も、“一人や二人ではなく、数百人の勤労者を常勤させる企業にとって、間接費用が非常に大きく、開城工業団地のメリットが低下する可能性がある”と指摘した。
しかしこの問題に対して、政府はまだ“進出企業が納得するに値する範囲で金額を合意している”とだけ明らかにしている。北朝鮮が要求する水準に対しても、未だに明らかにされていない。
これに対して、朝鮮半島先進化財団のチョ・ヨンギ博士は、“北朝鮮の無理な要求を制御するための厳格な制度的装置を用意しなければならない”と、政府の力強い対応を要求した。
チョ博士は“北朝鮮は機会がある度に、私たちに何かを要求するはずだから、最初から制度的装置を用意しなければ、北朝鮮が要求する度に聞き入れるしかない状況が続くだろう”と憂慮した。
◆ 真の改革開放に導く時 = 開城工業団地が北朝鮮の改革開放の誘引策として作用しているかについても、疑問が出ている。
キム代表は“現在、開城工業団地は大きな枠組みで開放と変化のスタート地点にあるといえるが、根本的な主旨である北朝鮮の改革開放を導き出すのには限界がある”と語った。
キム代表は“さまざまな側面から、根本的な目的や主旨を果たすのには制限がある”と述べ、“まず開城工業団地内でさえ、南北朝鮮の勤労者は、互いに自然に会うことができない”と問題を提議した。
現在、開城工業団地で韓国側の勤労者と接触することができる人は、職場長ただ一人だけだ。職場長以外の北朝鮮の労働者は、南側の勤労者とは接触することができない状況だ。
キム代表は“開城工業団地内でも人的交流を拡大しなければならない”と述べ、“同時に北朝鮮の住民と共に仕事ができる形で、開城工業団地が拡大されなければならない”と主張した。
これは労務・人事管理の自律性の確保とも直結した問題である。南北朝鮮の勤労者の自由な接触が可能になれば、北朝鮮は労務管理、韓国は経営という、2元化による非効率性の問題を解決することができるからだ。
イ部長は進出企業が北朝鮮側が供給する労働者だけを雇わなければならないという問題を指摘して、“企業に人事権を保障しなければならない”という意見を明らかにした。
イ部長は“我々が直接労働者を選んで雇うことができたら、社員に対するインセンティブや賞罰を付与することができるようになる”と語った。
これに対してユン教授は、“企業が北朝鮮で労働者を公開募集して、各企業に最もあった労働者を競争で選抜する制度を採択しなければならない”と述べ、“力強いインセンティブ制度を取り入れて、生産性が落ちた労働者を退出させる措置も取り入れなければならない”と明らかにした。
ユン教授は“北朝鮮政府に、よく見えさえすれば大きなお金を儲けることができるという概念から脱して、熱心に働けばより多くのお金を儲けることができるという認識をもってもらわなければならない”と言い、”これは市場経済の基本を頭に植えるようなことだ”と付け加えた。
また、“市場経済の論理を開城工業団地にも積極的に適用しなければならない”と重ねて強調し、“開城工業団地は北朝鮮の住民に市場経済を学習させるという根本的な主旨から見る時、まだ非常に不十分だ”と指摘した。
更に、“北朝鮮の改革開放を誘導するために、北朝鮮の住民全てに開城工業団地を訪問させるようにしなければならない”という意見も提示した。
キム.ギュチョル代表は、“現在、開城工業団地事業は開城工業地区の指導総局で管轄している”と述べ、“事業の窓口の一本化により、結果的に(北朝鮮政府が事業を)独占している”と指摘した。
キム代表は“事業の窓口の役目を韓国企業に自律的に任せている韓国のように変化し、その弊害と逆機狽??チしなければならない”と語った。北朝鮮の民間企業が育成されて、北朝鮮側でも多様な通路で開城工業団地事業を推進しなければならないということだ。
一方、チョ・ヨンギ博士は、今は開城工業団地が北朝鮮の改革開放という本来の目標をよく遂行しているのか、振り返って見る時点だと評価した。
チョ博士は“どうして韓国の勤労者が北朝鮮に行っているのか、その理由から話さなければならない”と述べ、“(開城工業団地事業が)北朝鮮を改革開放させることができるのか、具体的な目標は何なのかを、明らかにしなければならない”と語った。