人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮で身柄を拘束されているアメリカ人女性記者2人の逮捕の経緯や所在に関する詳しい情報が、韓国の情報当局によって把握されたと中央日報が24日に報じた。

新聞によれば、匿名を求めた情報消息筋が23日に、「女性記者2人は、現在平壌近郊の保衛司令部(北朝鮮の情報・保安部隊)が管轄する招待所で調査を受けていると把握している」と述べ、「アメリカの関係機関がソウルの情報チャンネルを通じて、関連情報を速く提供してほしいと要請しており、対北情報網を稼動させた」と語ったという。

この消息筋はまた、「咸鏡北道地域の中朝国境を渡った2人の女性記者は、管轄する第27国境警備旅団の哨兵によって逮捕された」と言い、「北朝鮮の保衛司令部が主導して1日のうちに平壌に送り、北朝鮮に入国した経緯などについて調査を受けていると聞いている」と伝えた。

更に、「北朝鮮当局がこの記者たちを平壌に1日で緊急移送したのは、それだけ今回の事態を深刻に受け入れていることを反映している」と付け足した。

関係当局が把握した情報によれば、拘束されたのはアメリカのカレントテレビに所属している女性記者で、韓国系のユナ・リー(Euna Lee)記者と中国系のローラ・リン(Laura Ling)記者である。両記者が国境を越えたのは17日午前3時頃だった。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

場所は中国延辺の朝鮮族自治州の図門市の郊外にあるウェチン(月晴)という村で、豆満江の川幅が狭くて民家が少なく、こっそりと離散家族に会ったり、脱北者が潜伏するのに適している所だという。

記者たちは中国から北朝鮮を取材していたが、取材に没頭するあまり国境を越えたと推測されている。現地で案内した朝鮮族のガイドがためらっている間に進んでいった記者たちに、北朝鮮軍の兵士が「動くな」と言い、相手を確認するための暗号を聞いたが、応対することができずに逮捕されたと情報当局は見ている。

その後第27警備旅団が所属する警戒所の本部に連行され、パスポートや身分証からアメリカ国籍であることが分かった。情報関係者は「アメリカ人の女性記者を逮捕したという緊急事態は、国境警備部隊を統括する保衛司令部に直ちに報告された」と述べ、「咸北地域を管轄する、清津の第9軍団司令部にも伝わったと聞いている」と説明した。現場に投入された保衛司令部の特殊要員たちは追加の調査をした後、18日午前に平壌に記者たちを送った。武装した護送車を前に走らせ、記者を2台の車に分乗させて互いに接触することができないようにしたという諜報を、韓国の諜報網が得たという。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

記者たちの現在の状況について、別の情報関係者は「軍が責任を負う国境警備に関する問題なので、保衛司令部が身柄を確保していると考えられる」と語っている。

保衛司令部は記者が持っていた取材用の録画テープやカメラ、取材手帳などを詳しく分析して、軍事施設の撮影を含む軍事的な詮索行為があったのか調査しているという。軍部が主導する保衛司令部の調査が終われば、すぐに国家安全保衛部(北朝鮮最高の情報機関)に引き渡す手続きを踏むということだ。

韓国の情報当局が迅速に関連情報を提供して分析し、アメリカ側は「短い時間に関連諜報を収集した韓国の情報能力は驚くべき」と述べたという。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

アメリカは今回の事態がメディアで公開されるまで、北朝鮮と水面下での接触を試みたが、遅々として進展しなかったと関係者たちは話している。アメリカは記者たちの抑留の状況に関する情報を把握できなかったという。アメリカ国務省は事件が発生した2日後である19日に、「報道を見たこと以外には実際の情報を持っていない」と述べていた。平壌のスウェーデン大使館を通じて北朝鮮との対話を推進した程度だった。

韓国の情報当局は「北朝鮮は記者たちに対する調査の過程で、スパイの容疑を認めさせることに力を注ぐだろう」という説明をアメリカ側にしたという。北朝鮮の情報機関の執拗な尋問技術を考えると、記者たちは、自分たちが聞いて報告した内容について話さざるを得ないことになるだろうという判断からだ。

特に取材の過程で、北朝鮮を撮影した画面や中国の脱北者に関する取材資料が問題になる可能性があると懸念されている。夜明けに北朝鮮軍の警戒所がある国境を通じて侵入したという点から、スパイ容疑を適用する可能性が高いと思われる。北朝鮮では20年以上の刑の可能性がある重犯罪だ。

情報関係者は「北朝鮮は女性記者の調査の過程を、全て動画で記録するなど、緻密にアメリカとの交渉に備えるだろう」と分析した。スパイ行為を認める場面を撮ることに力を注ぐだろうということだ。必要な場合、この場面を北朝鮮の官営テレビ放送などを通じて公開した後、スパイ行為を既成事実として確認するための準備作業を行う可能性がある。そして、「スパイ行為をしたが雅量を示して釈放する」と言って、対米カードとして使う可能性があるとも、情報当局は分析している。

住民たちには「共和国を瓦解させようとする米帝国主義者たちのスパイ行為に対して警戒心を持とう」という主旨の思想教育に活用するだろうという分析もある。国家安全保衛部は去年12月にも、異例に「金正日に危害を与えるスパイが侵入した」と主張して緊張感を高めている。

保衛部が自分たちの立地を堅固にするために、今回の事件を最大限活用する可能性が高い。

情報関係者は「北朝鮮は女性記者を集中的に尋問するが、彼女たちに対する苛酷な行為は慎むだろう」と分析した。記者たちが釈放されてアメリカに帰った後、記者会見などをする場合、北朝鮮では人道的な扱いを受けたと言うように、アメリカのメニューの料理やベッドを準備するなど、緻密に計算するだろうということだ。