ここ最近、北朝鮮当局は、中朝国境地帯の「密輸の取り締まり」を強化しているが、そのしわ寄せが一般住民に行っているという。デイリーNKの咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋は12日、中朝国境地帯最新事情について次のように伝えてきた。

北朝鮮国境警備隊の哨所 ©Roman Harak
北朝鮮国境警備隊の哨所 ©Roman Harak

「茂山(ムサン)市をはじめとする国境地域で保衛司令部の検閲が開始された。しかし、取り締まり強化で小遣い稼ぎができなくあった国境警備隊が、一般住民に窃盗行為を働いている。今は、農繁期で田植え戦闘など仕事量が多いだけに、とくに空腹を感じる時期だ。どうしても腹を空かした若い兵士たちが窃盗や強盗に走ってしまう」(咸鏡北道の内部情報筋)

保衛司令部が検閲を強化する狙いは、国境地帯の密輸防止と保安員(警察)や警備隊の脱北を防ぐためだ。北朝鮮当局は、咸鏡北道、両江道(リャンガンド)、慈江道(チャガンド)、平安北道(ピョンアンブクト)の巡回しながら調査を実施している。

検閲は、金正恩氏の「国境地帯を厳しくしろ」という指示に基づいているが、あまりにも範囲が広いために、完全に封鎖することは不可能だと情報筋は見ている。さらに、検閲隊が派遣されてきた時は、一時的に密輸や脱北も減少するが、終わってしまえば「また元通りになる」という。

結局のところ、一般住民の生活事情が向上しない限り、いくら金正恩氏が指示の下に中央が大々的な検閲を実施しても一時しのぎにならない。むしろ、悪影響が出ているのが今の北朝鮮当局の検閲と言える。

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