「警務部は、金、銀、銅などはもちろん、ニッケル、工業用ダイアモンド、モリブデンなどの各種金属から、国が所有している歴史的価値のあるもの、麻薬、薬剤、イヌに至るまで、ありとあらゆるものを密輸している。これらを中国に輸出して、食糧、肥料、生活必需品などを輸入するのだ」(RFAの内部情報筋)
衛戍警務部は、軍人を取り締まる業務の特性上、全国的な独自のネットワークを築き、鉄道、車での移動に不自由しない。さらに、密輸に使われる車両も警務部所有だ。こうした特権を活かして、カネを稼いでいることから衛戍警務部の地位は非常に高いという。
「取締が、厳しくても衛戍警務部とのコネがあれば、『朝鮮のすべての道が開ける』と言われているほどだ。しかし、密輸が横行する背景には経済難と先軍政治がある。軍が関与する密輸が続けば、わが国(北朝鮮)の資源や歴史的な遺物など、ありとあらゆるものが中国に持ちだされてしまう」