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北朝鮮では8日、国会にあたる最高人民会議の代議員選挙が行われたが、その前に脱北者を死亡者扱いして、住民登録を抹消する処理が行われていた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、中国に脱北した人の家族は、保安員(警察官)に頼んで、家族を死亡したという扱いにしたという。

「上部が有権者名簿の作成を急き立てたので、(脱北者の家族が)人民班長(町内会長)や担当の保安員とグルになって、行方不明になった家族を死亡者として処理する事例が増えた」(情報筋)

抹消にかかる「費用」は、人民班長と保安員1人あたり50万北朝鮮ウォンだ。

北朝鮮政府は8日の第12期最高人民会議の代議員選挙を控えて、1月末から各市、郡の保安署公民登録課に指示し、有権者名簿を作成するための住民居住の実態調査を行ってきた。

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中国との国境に面した地域では、中国に脱北した人と、昨年の食糧難の時に失踪した人の住民登録の文件を整理する仕事が、末端の保安員と人民班長の主要課題となった。

「この国では居住でも退去でも、行方不明者の処理の問題が本当にやっかいだ。行方不明になった人に対しては、別に証明する文件と、身元の調査が必要だ」(情報筋)

北朝鮮の選挙は、常に「100%投票、100%賛成」だ。それ以外の結果は許されない。そのため、有権者名簿に行方不明者がいてはならないのだ。しかし、行方不明者があまりにも多すぎて有権者登録に間に合わない。そこで保安員は「一番無難な解決方法は死んでもらうことだ」として、行方不明者を死亡者扱いしているというわけだ。さもなくば、脱北者家族はもちろん、保安員と人民班長も処罰されかねない。

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家族全員が中国に逃げた場合ならともかく、一人で脱北した人は、家族や親戚が保証して人民班長の確認をもらえば、担当の保安員が死亡者扱いしてくれるというわけだ。

また、北朝鮮特有の事情もある。

「遠方で事故にあって死亡した場合、火葬施設もなく遺体を運ぶ方法もないので、死亡した場所で葬ることが多い」(情報筋)

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お金次第で生きている人を死んだことにもできるし、死んだ人を生き返らせることもできる。それが拝金主義にまみれた北朝鮮の今だ。