金正恩氏の指示で、昨年10月に建設された「金策総合工業大学教育マンション」の入居率が半分以下であることが明らかになった。

金策総合工業大学教育マンションを視察する金正恩氏
金策総合工業大学教育マンションを視察する金正恩氏

デイリーNKの平安南道(ピョンアンナムド)は語る。

「金策工科大学教育マンションは46階建て二棟だが、20階までは全て入居した。しかし、北朝鮮当局が『入居しろ』と言ってもそれ以外は誰も入居しようとしない」

教職員たちも、7、8階に入居したがるが、20階以上は目もくれないというが、その最大理由は「電力不足」だ。

「エレベーターは設置されているが、正常に動作しないので20階以上は無料でも入らない。元帥様(金正恩氏)は、見た目が派手な高層マンション建設の業績で人民愛を宣伝しようとしている。しかし、電力難の解決は目に見えるものではない。北朝鮮当局は、見た目が派手な高層マンション建設に熱を上げている」(情報筋)

エレベーターの時間は限られている。生活必需品の自転車置き場もなく自転車は持って上がらなければならない。水道も上まで行き渡らず、持って上がる。こうした事情から、北朝鮮で高層階は避けられていたが、40階ともなるとその傾向はさらに強くなる。

情報筋によると、社宅建設は、2013年8月に金正恩氏が下した指示に基づいて建設は開始された。正恩氏は、何度も建設現場を視察。昨年、一時的に姿を見せなかった時期があったが、再び公式の場に登場した正恩氏が、2回目に訪問するなど高い関心を示していた。

北朝鮮メディアも、建設事業「元帥(金正恩氏)の熱い愛の結晶」と宣伝したが、住民からは「そもそも最初から無理だった」と批判の声が出ているという。

昨年は、マンション崩壊事故が起こって杜撰な工事が明らかになった。金正恩体制が進める高層マンション事業は、建前だけを重視して中身が伴わない事が多い。一般的に、高層マンションと高階層の入居は「富の象徴」だ。しかし、今の北朝鮮では「負の象徴」に過ぎない。

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