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“10万ウォンでは足りない”

10万ウォンがあっても不足しているという、北朝鮮の住民のため息まじりの言葉だ。

最近、北朝鮮の貨幤の価値が下落し続け、北朝鮮の住民に生計費の負担がのしかかっている。

こうした現象は、2002年の7.1措置以後続いてきたが、お金が特権層に集中し、住民の生活苦は一層困難になっている。

会寧の住民、パク・ヒョンシク(仮名)氏は30日、デイリーNKとの通話で、“中国のジャンパー一着が3〜5万ウォン、肉1キロが3千ウォン、油一本が2千7百ウォンする。1ヶ月間一生懸命働いて、10万ウォン(韓貨3万ウォン余り)を持って市場に行けば、買ったものもあまりないのに、無一文になる”と語った。

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中国の華僑の品物をもらって地方に運ぶ問屋をしているパク氏の1ヶ月の収入は30万ウォン(韓貨10万ウォン)。北朝鮮でもまあまあの収入だ。妻と息子がいるパク氏の家族はこのお金でご飯がやっと食べられるという。

4人家族が1ヶ月間暮らすためには、1キロ1千ウォンする米 50キロ(5万ウォン)と、1キロ350ウォン程度であるとうもろこし20キロ(7千ウォン)が必要という。更に、油一本が2千700ウォン、唐辛子、酢、ニンニク、葱などの副食を買えば、価格はほとんど米代と同じだ。

また、1キロ3千ウォンする豚肉は、1週間に1回程度食べるという。残りのお金を数えて、家族の衣類やパク氏のタバコ、お酒などを買えば、30万ウォン程度必要だという。 それでもパク氏は’満腹な話’をする方だ。

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庶民は豚肉を月一回食べられず

会寧の南門市場で麺を売って生計をたてているキム・ジョンオク(仮名)氏の1ヶ月の生活費は6万ウォン(韓貨2万ウォン)程度。キム氏は3人の家族の生計の責任を負う主婦だ。

一日中麺を売って手に入るお金は2〜3千ウォン。1ヶ月の儲けは6万ウォン程度だが、このお金は食糧を買ったら全てなくなる。商売の元金は夢にも見られないという。米飯は想像もできず、とうもろこし70キロ(2万3千ウォン)、油(2,700ウォン)、豆(1キロ950ウォン)などの副食を買えば底がつく。

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会寧の機械工場に通うキム氏の夫の月収は4千ウォン。米4キロを買えればいい。ご主人にだけ頼っていたら飢え死にすると言い、10年前から麺商売を始めたキム氏は、“こうして共働きをしても、やっととうもろこしご飯を食べられる程度。1ヶ月に肉1キロを買って食べるのも困難。子供に肉を食べさせてから、随分経った”と打ち明けた。

現在、会寧市では華僑と商売をする商人、外貨稼ぎ、中国に親戚がいる人を除いた大多数の住民は、パク氏のようにその日暮らしだ。

最近、人民保安省から”4月から配給を与えるから、商売するな”という指示が伝わり、市場の取り締まりを強化している。このため、中国の工業生産品を売る住民たちは、”配給を与えないのに白を切ったら、私たちはどうやって暮らしたらいいのか”と不満が高まっている。

保安員たちの市場の取り締まりは、中国の工業生産品の価格を上げるだけだ。取り締まりがある前は売台で売買をしたが、今は購買者が商人を捜し回っており、物価が上昇しているという。

また、最近の国際市場のドル安の影響は、北朝鮮の暗市場にも、そっくりそのまま反映される。中国の人民元とドルの割合が1ドル8人民元というのは変わらないが、ドルや人民元と、北朝鮮のウォンの為替は毎日変動する。中国から随時為替情報を受けて、両替商たちが適用させるため、北朝鮮も決して’為替レート固定地域’ではない。

最近ドルが弱まり、北朝鮮ウォン対ドル、ウォン対人民元の比率が、数ヶ月間下がっている。パク氏は”1月には中国の人民元100元に対し、北朝鮮ウォンは4万2千ウォンにまで上がったが、現在は100元で3万6千500ウォンに、大幅に下がった”と伝えた。