今月3日、ワシントン条約で禁止されている「サイの角(犀角)」を密売した容疑でアフリカモザンビークの警察当局に北朝鮮国籍の男性2名が逮捕されたが、1人は北朝鮮の外交官だったと米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が伝えている。

立派な角を生やしたサイ(画像:Tambako The Jaguar)
立派な角を生やしたサイ(本文とは関係ありません。画像:Tambako The Jaguar)

逮捕されたのは、南アフリカ駐在北朝鮮大使館のパク・チョルチュン参事と、モザンビークでテコンドーの指導にあたっているキム・ジョンス師範だ。

モザンビークの首都マプト(画像:Gustavo Sugahara)
モザンビークの首都マプト(画像:Gustavo Sugahara)

2人は、モザンビーク人2人から重さ4.616キロのサイの角を購入後、車で移動中に首都マプト市内の毛沢東通りで現地警察当局に逮捕された。車からはサイの角の他にも9万9300米ドル(約1229万円)と2400南アフリカランド(約2万5000円)など多額の現金も発見された。

南アフリカ駐在北朝鮮大使館は、100万モザンビークメティカル(約340万円)の保釈金を支払い2人は釈放され、陸路で南アフリカへと出国した。

マプト警察庁のムドゥマニ報道官は4日に開かれた記者会見で、犯罪捜査隊、農業省、税関などの関係機関が合同で資金の出処など、詳細を捜査しており、容疑が立証され次第起訴する方針だと語った。

モザンビーク駐在韓国大使館の関係者によると、南アフリカ駐在北朝鮮大使館は、外交官の車両は国境の税関で検査を受けないことを悪用し、モザンビーク駐在の北朝鮮代表部の手助けでサイの角を密売し、南アフリカへと密輸、中国などアジア各国に売り飛ばす行為を繰り返していた。

サイの角はアジアの一部の国で薬として珍重され、闇で1キロ6万ドル(約742万円)で取引されているという。

この事件のみならず、最近、北朝鮮の外交官が密輸に関与した容疑で摘発されるケースが世界各地で相次いでいる。背景には北朝鮮外交官特有の事情があった。

北朝鮮のバイアグラと呼ばれる「ネオビアグラ」。ちなみに朝鮮語では「バイアグラ」を「ビアグラ」と発音する。(画像提供:korshop.ru)
北朝鮮のバイアグラと呼ばれる「ネオビアグラ」。(画像提供:korshop.ru)

北朝鮮の外交官には、金ファミリーに外貨を貢ぐ「忠誠の外貨稼ぎ」のノルマがあるが、達成するために違法行為に手を染める。

昨年3月にはバングラデシュ駐在の北朝鮮大使館の外交官が金塊27キロを密輸して摘発された。また、4月と5月には、酒やバイアグラの密売容疑で、パキスタンとバングラデシュに駐在する北朝鮮の外交官が摘発されている。

経済制裁に加え相次ぐ違法行為で、各国駐在の北朝鮮外交官への監視はさらに強まりそうだ。

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