人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

しばらく前に私はあるロシアの記者と話を交わした。

最近、この記者は北朝鮮の外交の立場を擁護して正当化する文をいくつも書き、“ロシア政府も金正日総書記の政権を安定させ、永続させるべく努力しなければならない”と主張した。

ずいぶん前から親しい関係なので、私は“しかし、あなたが言う’永続’は、北朝鮮の現体制を維持することを意味するが、この体制のために多くの北朝鮮の住民が死んだ”と言った。

記者は顔をほころばせながら、“そうだ。しかし、私とその可哀相な人たちと何の関係があるのか。全世界で毎日虐殺されている人がどれほど多いのか、知っているじゃないか。北朝鮮の人たちをよく知っていれば同情するようになるが、私は気にしない。私の心配は私たちのロシアの利益、またその利益にかなう合理主義的な外交戦略だ”と答えた。

もちろん、彼の立場は冷笑的なものだ。しかし、私が考える限り、このような意見は例外ではない。北朝鮮の未来について影響を及ぼし得る勢力はほとんどそうだ。北朝鮮の未来を決定する多くの勢力は、互いに矛盾する目標を追求しているが、彼らに共通点が一つがある。その共通点は、北朝鮮に住んでいる庶民の運命について無関心だというものだ。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

国際的な勢力を見てもそうだ。今、北朝鮮の未来を決める最も重要な変数は中国だ。事実上、北朝鮮の崩壊を防いで朝鮮半島の分断を永続させることができる潜在力を有する国は中国だけだ。

しかし、中国の対外政策で目立つのは、人道主義的な配慮や人権の保護を完全に無視するというものだ。ロシアも同じだ。もちろん、冷戦の歴史が見せてくれるように、人権の保護を主張するアメリカや西ヨーロッパの多くの国家は、人権の保護の原則が、これらの国家の利益と矛盾したら、国家の利益を優先させた。それでも、人権に対する憂慮や人道主義的な配慮が、その国の政策にある程度影響を及ぼしている。例えば、冷戦の時期に地政学的な要因によって、韓国の軍事独裁を支持したが、アメリカは金大中を暗殺させないようにした。

中国、北朝鮮の住民への関心はなし

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

中国の朝鮮半島政策の最高目的は、’分断の維持’だ。北朝鮮の庶民の苦労と死が、このような目的を果たすために支払わなければならない対価であるのなら、中国はこれを決して問題として見ない。

中国の対北支援が、幾多の生命を救ったことは事実だが、この援助を提供する方法を分析すれば、その目的が庶民を救援するものというよりは、北朝鮮の’体制維持’という点にあることは容易に分かる。中国は援助の分配の際に透明性を要求せず、支援食糧を庶民に配るように北朝鮮政権に圧力をかけない。

中国は1970−80年代に地政学的な理由で、世界の歴史で最も残酷な独裁としてあげられるカンボジアのポルポト政権まで支持したことがある。これを見れば、北朝鮮に対する支持も理解しやすい。3年間で全人口の20%を虐殺したポルポト集団よりも金日成や金正日を、より多く認定される(?)指導者として見なせる。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

ロシアも同じだ。1990年代の初めのある時期に、外交政策で人道主義や人権保護を考慮する必要があると言ったが、最近のロシアの対外政策は国家利益を絶対化する方だ。残念なことは、このような対外政策を批判する人々が、ロシアにはほとんどいないということだ。この政策を当然視しながら、人権保護の主張を’アメリカの宣伝’とだけみなしている。

ロシアの外交官が北朝鮮の体制を批判しないのは自然なことだが、ロシアのメディアでさえ北朝鮮の住民の生活に対する同情心や関心がほとんどない。民主国家であるロシアの学者や記者は、権威主義の中国と違い、自分の意見を自由に表示することができる。しかし、彼らは北朝鮮を地政学的なチェス版の視角で見ることが圧倒的に多い。このような国際関係ゲームのために、幾多の北朝鮮の住民が苦しみ死亡することを、’真の問題’とみなす人はほとんどいないのだ。

北朝鮮の住民がどうして目に入らないのか

しかし最大の問題は、韓国社会が北朝鮮を見る目だ。

冷笑的な話かも知れないが、中国やロシアとしては他の国家、他の民族である北朝鮮の住民の苦労や災難を無視することもできるだろう。望む望まないにかかわらず、国際関係が冷笑的なゲームであるのに、自国の外交政策を人間的同情心によって決める国はない。だが、韓国でもまったく同様に無関心が見られるということだ。

大韓民国憲法によれば、朝鮮民主主義人民共和国という北朝鮮は非合法的機関で、北朝鮮の人々は全て無条件に大韓民国の国籍を持つ。韓国の一般の人たちに聞いて見ると、“南と北は互いに違う国家だが、同じ民族”という主張が出る。しかし、北朝鮮に対する認識を見れば、韓国政府や大部分の韓国の人々が、北朝鮮の住民を保護しなければならない同胞として見ることができていないのは明らかだ。

憲法によれば、大韓民国政府は豆満江から済州島まで統治する合法的な政権だが、実際にこうした主張を虚高ニして見ない人々はほとんどいない。実際に、韓国政府は韓国の国土のみを統治して、韓国の住民たちの利益を代表する。また、現実的な事情を見れば、北朝鮮政権の永続性は、韓国の住民たちの短期的な利益を代表している。北朝鮮体制の崩壊は多くの難民と社会の混乱をもたらす可能性があり、崩壊後の北朝鮮の経済復旧も非常に困難で、高くつく課題だ。また、決定的な危機に直面した北朝鮮政権が戦争を起こすかもしれないという脅威がある。(下に続く)