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警察のリークに頼り、近視眼的なスクープ競争をしている記者たちは、事件の本質を探るより、ありがたいネタ元である警察幹部への“お付き合い”として、実態より大げさなタイトルをつける作業に忙しい。

そんな環境に身を浸して育つ若手警察官が、バランスの取れた国際感覚と鋭い観察眼を備えたスパイハンターに育つのは困難だろう。

外事警察に求められるのは、見せかけだけの「対北朝鮮圧力」の尖兵として微罪で朝鮮総連を捜査することでも、他省庁の動きを探ることでもなく、防諜の現場から北朝鮮情勢の動向に迫ることだろう。そうした積み上げの上に立って初めて、日本は、日本人拉致問題などで北朝鮮を突き動かす強力な交渉カードを手に入れることができるのではないか。(【外事警察編】おわり)

(【公安調査庁編】公安調査庁はなぜ中国へ「スパイ」を送ったのか につづく)

(取材・文/ジャーナリスト 三城隆)
【連載】対北情報戦の内幕