「ISができた経緯について詳しくは知らないが、90年代に杉田和博警察庁警備局長が作ったと聞いている。当初の目論見は、55年体制が終わり政治情勢が混沌としてきた時に、警察の情報力を使って自分たちに都合のよい政権、つまり自民党政権を支えようというものだったようだ。だから当初は、選挙情報や自民党以外の政党の動向を探るのがメインだった。創価学会の池田大作名誉会長の健康問題や女性問題は、自民党が喉から手が出るほどに欲しがっていた情報のひとつだった」
そしてその後も、警察庁はISを公安警察の中心に据え、“庁益”の追求に邁進しているという。
「ISは、大規模警察本部では警備部の筆頭課に1個班5〜6人。警視庁にはこの数倍の人員が配置されている。共産党や極左セクト、外事関係の“ネタ取り”で実績のあるベテラン警部補クラスを集め、マスコミや国会議員、議員秘書、地方議員などを協力者として様々な情報を集めている。
日朝協議でどういう交渉が行われたのか、外務省幹部がいつ、どこで北朝鮮と接触するのか……こういうことを探るのはソトニ(外2)ではなくISなんだよ。そして、警察庁のキャリアはそこで上がって来たネタを、首相官邸と内閣情報調査室内調に“深層情報” としてご注進するわけさ」
マスコミの“お付き合い”
外事警察が「政治警察化」したことで、本来の任務であるカウンター・インテリジェンス(防諜)能力が減退してしまっているのは、これまで述べてきたとおりだ。そして、「政治警察化」の行き着いた先が、このISなのだ。