世界の注目を浴びていた南米ベネズエラのチャベス大統領の連続再選を、無制限に可能とする憲法改正の是非を問う国民投票で、「賛成」が過半数を占めた。
ベネズエラのルッセナ選挙管理委員長は15日(現地時間)に、94%の投票率で、再選制限の撤廃の是非を問う憲法改正が54%の賛成票を得たと発表した。
これにより、1998年に大統領に当選したチャベス大統領は、2012年12月の大統領選挙で本人が希望すれば出馬することも可能となり、長期政権への道が開けた。チャベス大統領は「2027年まで大統領として務めたい」と話しているという。
今回の憲法改正で、これまで進めてきた社会主義への体制転換のスピードが上がり、国家資産の売却が禁止され、エネルギー部門に対する国の統制が拡大するなど、チャベス式の改革に拍車がかかると思われる。
チャベス大統領の主導でブラジル、アルゼンチン、ボリビア、エクアドル、パラグアイ、ウルグアイなど、南米7カ国は2007年に南米銀行の設立を公式に宣言し、営業を開始する予定。
チャベス大統領はこの日の夜、投票結果が発表されると、大統領宮のバルコニーに出て支持者の前で国歌を歌い、「真実と威厳が勝利した」と宣言した。
首都カラカスに集ったチャベスの支持者たちは花火を打ち上げてサイレンを鳴らし、「チャベスはこれからも続く」と歓喜してセレモニーを開いた。
チャベス大統領は「国民投票で勝利し、国民と一緒に『未来は我々のものだ』と言えるようになった。国民は『革命的な民主主義』と『反革命的な試み』の一つを選んだ」と主張した。
投票前の世論調査では、賛成と反対の差はあまりないという予想が出たが、実際には賛成がおよそ8%多い結果となった。
ベネズエラの野党はチャベス大統領に対して、キューバーの社会主義を真似し、経済運用に失敗し、腐敗が蔓延していると批判している。今回の投票がチャベス大統領の独裁を防げる最後のチャンスだと国民に訴えたが、結局、憲法改正を防ぐことはできなかった。
