北朝鮮の長距離ミサイル発射の可能性が高まっている最中、韓国・外交通商部のユ・ミョンファン長官は「北朝鮮がミサイルを発射することで受けられる制裁を考えると、それが北朝鮮に得になるとは絶対思わない」と話した。
ユ長官は12日の午後、ソウル・世宗路にある外交通商部庁舎で開かれた定例記者会見で「北朝鮮は1998年にも長距離ミサイルを発射した。そして、2006年にいくつかのミサイルを発射した。こうれまでのことを考えると、北朝鮮の意図については言わなくてもわかると思う。北朝鮮の長距離ミサイル発射は2006年7月と10月に安保理決議で禁じられた行為だ。今回、ミサイルを発射すると、北朝鮮自らが国際社会からの孤立の道を選ぶこととなる」と話した。
また、「ミサイル発射の動きに関する具体的な内容は軍部の情報に関わる問題で、外交通商部がそれを公開するのは望ましくないことだ。北朝鮮がミサイル発射を強行する場合には、南北関係や朝鮮半島、北東アジアの平和に脅威となる」と警告した。
ユ長官は就任直後にあったアメリカのオバマ大統領との初の電話を思い出しながら、「米韓両国は北朝鮮核問題に関して最も重要なこととして、両国の協力が挙げられる」と話した。
また、「アメリカ側の北朝鮮の核担当者が決まる次第に、検証保安などの具体的な交渉の内容についても徹底して協議に挑むつもりだ。昨日開催された日韓外交長官会談でも北朝鮮核問題を解決するためには、6カ国協議がもっとも有効であることを再確認し、6カ国協議がうまく進むように緊密に協力していくことに合意した」と説明した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北朝鮮特使として任命されると思われるスティーブン・ボスワーズ前在韓大使について「特使になるか、調整官になるかは知らないが、在韓大使の経験もあるし、経験や知識も豊富だ」と評価した。
最近、アメリカ国内で北朝鮮に対し「核保有国」という表現を出ていることについて「北朝鮮に関する様々な言葉を状況によって使っている。重要なのは、それを使う状況や使った人の考え方ではないか。米韓両国は緊密な情報交流を行っている。新しい情報や政策変化はない」と説明した。
さらに、「北朝鮮は核保有国として認めてもらうために、あのような発言を政治的に利用しようとする。北朝鮮を核保有国として認めることは違う結果をもたらす敏感な事案のため、それに特別な意味を与えるのはあり得ない」と言い切った。
北朝鮮の政治的な意図については「あり得ない主張にすぎない」と批判した。
ユ長官は19〜20日に韓国を訪問するアメリカのクリントン国務長官との会談では、米韓の戦略同盟の発展ついてはもちろん、北朝鮮の問題、金融危機の克服などを含めた主要国債問題などについて話し合う予定という。
1987年の大韓航空機の爆破事件の犯人であるキム・ヒョンヒ(金賢姫)氏と日本の拉致被害者である田口八重子氏の家族との面会について「キム・ヒョンヒ氏の自らの意思で実現された」という。面会は韓国で行われるという。
過去の政府と違い、拉致者問題ついて韓国政府が積極的に乗り出していることについて「人権、つまり人類の普遍的な価値を李明博政権は最も重要視している。北朝鮮人権決議案に賛成したことや、共同提案国として参加したこともある。日本人拉致問題も人権問題の一つで、早急に解決すべきだ」と説明した。