北朝鮮のフィギュア選手たちが使う音楽は、北朝鮮式の革命歌謡だ。だから、国際大会に出ても北朝鮮の選手の音楽を理解する観客はいない。特に、金正日の誕生日を記念して開かれる白頭山賞に出場する選手たちは、みんな金正日に対する忠誠の念を強調する音楽を選ばなければならない。「2月は春です」のような歌から歌詞をとって、曲だけを使ったりする。
北朝鮮でもキム・ヨナのような大スターが出たらいいなと思うが、次の世代の「希望事項」として待たなければならないだろう。10歳を過ぎたら両親の生存闘争に加わって、息が切れる日々を送らなければならない北朝鮮の子供たちに、「スポーツを通じて我が民族の底力を見せてくれ」と注文するようで、心の片隅が重くなるからだ。
今、平壌には幼稚園生から中学、高校の生徒まで、大きく力強い掛け声をはりあげて公演を準備している数多くの子供たちがいる。大集団体操、「アリラン」を準備するためだ。キム・ヨナ選手は世界最高の選手になるという夢を持って汗を流して練習しているが、平壌の子供たちは体制の宣伝と外貨稼ぎのための公演に動員されて、数ヶ月間訓練を受けなければならない。
北朝鮮の子供たちもキム・ヨナ選手のように自分の夢をつかむために、政治や経済的な拘束を受けずに、世界に向かって思いきり挑戦できる世の中が早く来ることを願っている。