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北朝鮮の電力事情が最近悪化し、咸鏡北道だけのことだった飲料水難が、咸鏡南道や両江道に広まっていると内部消息筋が知らせてきた。

今月1日にデイリーNKと通話した咸鏡北道の消息筋が、「咸北の会寧市で、旧正月を迎えて水道水が制限的に供給されたが、節日が過ぎてまた水道水の供給が中断した」と伝え、「電力事情のため、去年11月から現在まで、水道水の供給がきちんと行われず、非常に不便だ」と訴えた。

消息筋によれば北朝鮮は今、1990年代半ばの「苦難の行軍」以後最悪の電力難に陥っているという。

一方、金正日が新しく建設された黄海北道のイェャ桃]青年1号発電所を視察した時に、大規模な水力発電所の建設を指示したと朝鮮中央通信が1日に伝えた。また、北朝鮮の労働党の機関紙である労働新聞も、1998年から毎年、「全国的に多くの発電所が完工された」と報道してきたが、住民が肌で感じる電力難は改善されていない。

このように北朝鮮で渇水期(11月から2月)に電力が不足する原因は、電力生産の大部分を水力発電に頼っているからだ。火力発電は石炭の生産量が毎年減少して、設備が老朽化したため推進できず、水力発電に対する依存度が70%を上回っている。

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だが水力発電に必要な淡水量が冬季には20%以下になり、慢性的な電力難に陥る。一般の家庭に供給される水道水は電力事情が悪化すると、水源池の揚水設備を稼動することができなくなり、供給が不足するという悪循環が繰り返されている。

電力不足のため、最近では全国の旅客列車の運行の回数を半分に減らすという極端な指示まで出ている。

消息筋は「節日には制限的に給水されるが、これさえも水道管がさびついて、さびの混じった水が出る」と言い、「今では水さえも節日供給商品という言葉が広まっている」と話した。

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咸鏡北道の内陸地方の状況は一層深刻だという。消息筋は「会寧市は豆満江と会寧川に近くて、水を汲んでこれるため、まだ良い方だ」と言い、「1月初めに清津を訪問したが、近くに川がなくて水が汚くて、洗濯どころか子供がまともに体を洗うこともできずに、衛生状態が悪かった」と伝えた。

中国の吉林省長白に住んでいる朝鮮族の住民キム・チョルフン(仮名38歳)さんはデイリー NKとの通話で、「夜中に鴨緑江の向こう側の北朝鮮(両江道の恵山市)を見れば、本当に暗黒世界だ」と言い、「電気もなくて真っ暗な中で、みんなどうやって暮らしているのか本当に不思議だ」と語った。

また、「昼間に鴨緑江に行ったら、氷にあいた穴ごとに、水を汲むために来た朝鮮の人であふれていた」と伝え、「恵山市は旧正月にも電気が来なかったそうだ」と話した。

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両江道恵山市では2007年5月に、3万人以上を動員して、4年をかけて完工したサムス発電所を竣工したが、電力難の解消にはあまり役に立っていないという。金正日が直接イェャ桃]青年1号発電所の視察を含めて、電力難の解消に努めているようだが、よい方法を見つけることができていない。

消息筋によれば、水を汲もうとして氷にあいた穴に落ちる事故も頻繁にあるそうだ。

消息筋は「去年12月中旬にも、(会寧市の)カンアン洞から豆満江に水を汲みに行った中学校の女子学生が、氷の穴に落ちて死ぬ事件があった」と伝え、「そのため、市ごとに対策会議まで開いて、『特別に水源池だけには電気を送って、水道水を供給しよう』と決めたが、中央が電気をほとんどくれないからどうしようもない」と話した。