北朝鮮当局が、3月に韓国人男性らを拘束して発表した「スパイ事件」に関連して、北朝鮮出身の華僑が拘束に関わっていたと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

丹東市内の様子 ©Max-Leonhard von Schaper
丹東市内の様子 ©Max-Leonhard von Schaper

「北朝鮮でスパイ容疑にかけられているキム・グッキ氏とチェ・チュンギル氏は、北朝鮮の保衛部に逮捕されていた華僑の兄弟が誘い出して、丹東郊外の東港から拉致された」

そう語るのは、中国丹東在住の朝鮮族情報筋。丹東市では以前から、2人が北朝鮮保衛部の工作員に騙されて拉致されたのではないかという噂が飛び交っていたが、華僑の兄弟によるものだという。

「兄弟は、50代の兄と『ヨンゴル』という名前の40代後半の弟だ。ヨンゴル兄弟は新義州(シニジュ)生まれで10年前に丹東に移住、北朝鮮の骨董品や美術品の密輸に関わっていた」(朝鮮族情報筋)

実は、この2人は、北朝鮮の骨董品の密輸や内部映像などの仲介にも関わっていた。弟のヨンゴルは、北朝鮮内部の協力者に市場やコチェビなどの撮影を依頼したが、この協力者が保衛部に逮捕。取り調べ過程でヨンゴル兄弟の名前が上がった。

保衛部は、昨年10月に兄を東港で拉致し、12月には「いい品がある」と弟のヨンゴルを誘い出して同じく東港で拉致した。さらに、2人を使って、キム氏とチェ氏に東港沖の海上での品物取引をもちかけ、韓国人2人を拉致したという。

新義州の別の情報筋によると、ヨンゴル兄弟と接触していた多くの北朝鮮幹部もスパイ容疑で逮捕された。情報筋は、スパイ容疑での逮捕なので二人は処刑されるだろうと語った。

このスパイ事件と関連して、数十人の北朝鮮出身の華僑が逮捕され収容所送りとなっている。