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金正日の長男金正男が27日に、北京の空港で再び取材陣の前に姿を現わした。彼の行く先を追跡して報道している日本の放送局の質問に対し、金正男は今回も一貫して、外交官もしのぐ政治的修辞を駆使した。

金正男は「自分は政治に関与していない」と述べ、後継者選定については父の地位を誰が受け継ぐのか誰も分からないと話していた。24日にも三男の正雲(ジョンウン.26)が後継者になるという観測について、何の情報もない、弟に直接聞いてみてくださいと言った。

更に、「中国政府はあなたに後継者になってほしいようだが」という質問に対して、「それは違う。間違った情報だ」と否認した。また、集団指導体制の登場の可能性を問う質問には、「それは敏感な質問なので…」と言葉を濁し、自分は後継告}に関心がないと強調している。

金正男が二度のインタビューで明らかにした内容をまとめると、次のようになる。

「後継者問題は金正日が決定する問題で、まだ誰も分からない。自分は政治に関与していないし、後継者問題に関心もない。自分の兄弟に対する、後継者の選定に関わるうわさは事実でないか、少なくとも自分は何の情報も持っていない」

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金正男の返答が政治的修辞に一貫しているという点は、直接自分が答えることができるという点からも答えを回避する姿によく現われている。

金正男は張成沢との関係についても、「敏感な問題なので答えることができない」と言った。金正男自身が言ったように、「自分は政治に関与していない」のであれば、叔父である張成沢行政部長との関係が敏感な事案になるはずはない。

中国が次期後継者として自分を支援しているという質問を、強く否定したことも注目される。正雲が後継者に選定されたという質問には、何の情報もない、弟に直接聞いてみてくださいと少し皮肉った態度を見せながらも、中国支援説については「事実ではなくて誤った情報」と確実に否定する態度を見せた。

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金正男の言葉を一つ一つ取り上げて深読みしたところで、彼の意図が全て分かるわけではない。だが、彼が金正日の後継者候補の一人であり、外部の社会が唯一接触できる人物という点から、その行間の意味を察することには意味がある。

金正男はかつて、後継告}から脱落したと思われていたが、最近になって中国と張成沢の支援を受けて、北朝鮮の有力な後継者候補として再登場したようである。

北朝鮮の内部消息筋は最近、「金正男が中央党の課長級以上では『新星将軍』と呼ばれている」と述べ、後継者に選ばれる可能性に触れた。この消息筋は「張成沢と一緒に地方の現地指導をしながら、後継者授業を受けている」とも話した。

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また別の消息筋は、「張成沢が現地指導で金正男のことを直接 『新星将軍』と呼び、金正日にしかられた」と言い、「幹部たちには、後継問題については一切口にしないようにという指示が下った」とも伝えた。

今回北京に現われた金正男の言行は、以前と比べて確実に変わっている。したがって今回の発言を基に、北朝鮮の後継告}は正哲(ジョンチョル)と正雲の両者対決に向かうと考えるのも性急だろう。

金正男の発言には、事実をそのまま直視するに値する内容が一つだけあった。

「後継者問題は父だけが決定する問題で、その対象はまだ誰も分からない」