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韓国社会の力量集中こそ「一番立派な対北戦略」

金正日はこうしたやり方で「平和」を掲げ、いわゆる通米封南を強化しながら、韓国内部で金大中-盧武鉉-野党-いわゆる進歩-親北反米系列を現在の位置にそのまま縛りつけるか、またはその力を「結果的に」強化させてやる方法をとれば、韓国社会をこれからも二つに分散させることができると思うだろう。その間に核兵器を脅迫手段にして、南に対する軍事的緊張と挑発のレベルを段階的に高めれば、韓国内部で「北朝鮮と交渉しなさい」という要求が出るようにもって行くことができると打算するだろう。

筆者は2009年の金正日の対南戦略戦術の方向は、このような水準ではないかと考えている。

したがって、政府は韓米軍事同盟関係を更に堅固にするという条件で、北朝鮮の軍事的挑発を抑止して、韓国内部の世論と力を一つにすることに集中すれば、それ自体が立派な対北戦略の一つになる可能性がある。表面的には奇奇妙妙な対北交渉アイディアを出すよりは、二つに割れない韓国自らの力、韓米同盟関係と韓日協力関係の力、そしてこれを基に、戦略的協力パートナー関係に格上げされた中国との関係に一層力を注げば、それ自体が私たちの国益にとって非常に有利になり、同時にあまり苦労せずに対北戦略においてかなり効率よく力を発揮することができるということである。特に、今年は新しい韓中関係を箔ョ的に開拓していく必要があり、両国間の軍事的協力においても一層スピードアップしなければならない。

したがって、今後私たちは能力のある外交官を数多く排出しなければならない。朝鮮半島は米・日・中・露という世界の4強に取り囲まれた唯一の地域だ。この10年余りの間、北朝鮮体制の耐久力がどんどん弱まったが、私たちはこれから非常に創造的で箔ョ的な外交で、生存と大きな発展の活路を開かなければならない。外交官の数をもっと増やさなければならない。かつて、弁護士たちが法曹の数を増やさないで「自分の飯の貯え」をはかったように、外交官たちが外交官の数を増やさないのは、そうした点から「売国売族行為」に劣らない行為といえる。民間ベースには立派な外交資源が多い。政府はこれを積極的に活用しなければならないだろう。

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また、対北戦略で民-官協力の力を大きく高めることが重要だ。元々民間は、官の力を倍増させる力の源泉である。これまで、政治・経済・教育・文化などの領域で民間の力が大きく増加した。今後、対北戦略において民間の力を大きく増やして、うまく活用しなければならない。「対北戦略における協治(governance)」を積極的に実現する時がきたのである。ただ、これまでのように「無条件の対北支援」式のワンウェイ(one way)トラックで民間を活用するのではなく、対中関係、対米関係における民間の活用とともに、対北朝鮮関係における民間活用も、時には北朝鮮の人権問題で、時には対北支援で、また時にはビラの散布などでより多様になる必要があるということである。

MB政府, 南南葛藤を乗り越えてこそ核の危機を打開することができる

金正日は中国共産党の対外連絡部長を最初の接見者に選び、対外的な公式活動を再開した。金正日の対外戦略はオバマ政府でも変わらない。クリントン、ブッシュ政府の時期の戦略を大きなフレームとし、そのままもって行くだろう。時には平和のコードを、時には強硬脅迫のコードを交互に使いながら、上で言及した方向に向かおうとするだろう。

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だがこの10年間で、金正日のカードは霧の中からだんだんより明るい所に現れて、はっきりと見えるようになってきた。特に核実験以降、金正日には軍事的脅迫以外のカードが無くなってきた。しかし韓国は10年の間、政策の間違いという経験をして、ますますカードが増えてきた。また、北朝鮮は中国・アメリカ・日本の接触面が広くなるほど、金正日独裁政権の立地が狭まり、韓国は米・中・日・露との協力が強化されればされるほど、対北カードは更に増えることになる。

ただ、韓国社会の内部が二つや三つに割れて分裂して、力が分散すれば、対外的な力もそれだけ消尽するということを、私たちはみな、深く念頭に置かなければならない。そのような点から、今年は韓国の内部に存在する一部の「自害狼藉勢力」のしゅんどうを阻むことが最大の問題になるだろう。

筆者は2009年に李明博政府が、ある程度経済を回復させて、更に韓国社会の内部の力を一つにまとめることに成功したら、国民に大きな希望を与えることができると思っている。一番恐ろしい相手はやはり自分自身であり、成功の力も自分自身から出るという先人たちの警句を、本気で想起しなければならない時がきた。(終)