北朝鮮が、中国に輸出している石炭価格が60%近く暴落していることがわかった。中国政府が、石炭の質の規制を強化したことから、輸出が事実上ストップしていることによると見られる。

順川の隣の北倉地区炭鉱連合企業所の炭鉱
平安南道の北倉炭鉱

大気汚染で中国が規制強化

中国は近年、大気汚染などの公害被害によって人々の健康のみならず、対外イメージが大きく損なわれている。

対北朝鮮外交筋によると、こうした事態を打開するため、中国政府は昨年9月に「無煙炭品質管理暫定措置」を発表し、輸入石炭の品質規制を強化した。

措置によって、昨年末から北朝鮮産石炭の中国への輸入に対して大幅な制限がかけられた。硫黄やヒ素などの有害物質の含有量が基準値を超えたからだ。

この影響で、北朝鮮は中国への石炭輸出が事実上ストップ。昨年9月の時点で北朝鮮産の石炭は効率がいいとの評価から1トン110ドルで取引されていたが、4月には47ドルまで暴落し外貨稼ぎ事業に著しいダメージを受けている。

石炭品質強化で打撃を受ける北朝鮮軍

中国向けの石炭輸出は、北朝鮮の人民武力部と軍の総政治局傘下の外貨稼ぎ会社が中心になって行われてきた。南浦(ナムポ)港や松林(ソンリム)港で貨物船に積み込まれた石炭は、中国丹東郊外にある東港港に到着、品質検査を経て山東省に輸送される。

石炭輸出で得た外貨は、軍服を作る生地の購入資金や、軍部の資金としてプールされていたが、輸出が難しくなり外貨稼ぎ事業は大打撃を受けている。

今年に入ってからは、ロシアとの交易を盛んに行っているが、長年続けてきた中朝交易も疎かにできない規模だ。

来月には、金正恩氏が訪ロする可能性が高まっているが、中露両国の状況に大きく左右されるのが北朝鮮の貿易。今後、どのような方向に進むか、しばらく見守る必要があるだろう。

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