エジプトの業者が自動車部品を売った代金として北朝鮮ウォンを掴まされる「事件」が発生したと韓国の聯合ニュースが伝えた。掴まされたのは既に廃止されている旧券なので立派な詐欺事件だ。

2006年に発行された北朝鮮の旧5000ウォン紙幣。2009年の貨幣改革で廃止されている。©Numismatic Coins & History
2006年に発行された北朝鮮の旧5000ウォン紙幣。2009年の貨幣改革で廃止されている。©Numismatic Coins & History

エジプトの業者、知らずに500万北朝鮮ウォンを受け取る

事件は、韓国人ビジネスマンのA氏がエジプトの知人から「この『お金』を交換してくれないか」という話を持ちかけられたことで発覚した。

A氏がこれを確認してみたところ、紙幣は北朝鮮ウォン、それも2006年に発行されたものだった。北朝鮮では2009年に貨幣改革(デノミネーション)が実施され、それ以前に発行された紙幣は旧券として廃止されている。つまり、今では単なる紙くずだ。

A氏は聯合ニュースの取材に「エジプトの知人が、『コリアン』を自称する男性に自動車部品を売って北朝鮮の5000ウォン札1000枚、合計で500万ウォンを受け取った。彼はどうやら韓国ウォンだと思って受け取り、私に交換の話を持ちかけたようだ」と答えている。

「北朝鮮ウォンを両替した」

衝撃的なのは、このお金がエジプトで流通してしまっているとの証言があることだ。

A氏は「この知人は北朝鮮ウォンで500万ウォン以上を、現地の両替所でエジプト・ポンドに両替した」と話している。

ただし、A氏は北朝鮮ウォンの流通がどのくらいの規模に及ぶのか、部品の代金を北朝鮮ウォンで支払ったのがどのような人物なのかについてまではわからないと答えた。

駐エジプト韓国大使館は、この事態を受けて調査に乗り出した。大使館関係者は「北朝鮮ウォン詐欺」への注意を促す一方で、「大量の北朝鮮紙幣を韓国に持ち込むと『南北交流協力法』違反で処罰されるおそれがある」と警告した。

デノミの失敗で北朝鮮国内でも信用が地に落ちた北朝鮮ウォン。エジプトはもちろん、隣国の中国ですら紙くず同然の扱いで、現在使われている新券もおみやげとして売られている有り様だ。

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