遺族は面談拒否

300人近い犠牲者を出した韓国の旅客船セウォル号沈没事故から丸1年になる今日、韓国の朴槿恵大統領は、事故後の救助や遺体収容作業の基地となっていた全羅南道珍島郡のペンモク港を訪れた。大統領の現地訪問は事故直後の昨年5月4日に訪れて以来、約11ヶ月ぶりだ。

朴大統領は現地で国民に向け発表した談話で「船体の引き揚げを真剣に準備すべきと考える。必要な手続きを迅速に行いできる限り早急に引き揚げを行う」と語った。

朴大統領のペンモク港訪問は元々予定になく、午後1時30分に中南米歴訪に出かける予定だった。しかし、「よりによってセウォル号事故から1年になる日になぜ海外に出かけるのか」との強い批判の声が上がり、予定を4時間遅らせて急遽現地を訪れた。

これに対し、セウォル号事故の遺族や行方不明者の家族は現地にある焚香所(祭壇)を一時的に閉鎖して現場を後にした。朴大統領との対話を、事実上拒否した形だ。遺族らは朴槿恵政権の事故対策、真相究明がおざなりになっていることへの不満に加え、セウォル号沈没から1年のこの日に朴大統領が外遊の日程を組んだことを不誠実だと考え、強い不満を抱いている。

また、港周辺にいた市民たちは朴大統領に向けて「セウォル号の真実を明らかにせよ!」「セウォル号特別法施行令を廃棄せよ!」などとシュプレヒコールを上げたが、大統領は一言も発さないままSPたちに守られ車に乗り込んだ。

最も多くの犠牲者を出した檀園(タンウォン)高校のある京畿道(キョンギド)安山(アンサン)市に設けられた政府合同焚香所で開かれる予定だったセウォル号惨事1年合同追悼式も、遺族の意思で中止となった。

焚香所を訪れた李完九(イ・ワング)総理には、遺族から「帰れ!」との言葉が投げつけられた。

朴大統領が安山の追悼式に参加する予定は、そもそも組まれていなかったという。

ソウルに戻った朴大統領は与党代表との緊急会談を終え、コロンビアに向けて出発した。