スマホ「アリラン」を操作する平壌市民が急増中

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携帯利用者が急増している北朝鮮で、スマートフォン「アリラン」に熱い視線が注がれている。デイリーNKジャパンが接触した北朝鮮情報筋は「平壌スマホ事情」について次のように語った。

「多くはないけど、町中でスマホを操作する平壌市民はよく見ました。特に珍しいモノでもなかったですね」

北朝鮮では、普通の携帯電話、いわゆる「ガラケー」は「手電話(???:ソンチョナ)」と呼ばれ、スマートフォンを「知能型手電話(チヌンヒョンソンチョナ??????)」または「タッチ(touch)」などと言う。

こうしたなか、スマホや携帯で自分自身を撮影する、いわゆる「自撮り」をする住民も増えている。機種ごとに性能や機能に違いはあるが「カメラ」は基本機能として備わっており、「自撮り」を楽しむ携帯ユーザーも増えてきている。

「アリランは、カメラ機能が大幅にアップしているので、友人に会ったり、記念スポットなどを訪れると『自撮り』をする人も増えた。表情もポーズも好きなようにできて、自分の姿を記録できるのが人気だ」(情報筋)

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撮影した写真は、自分で色や明るさなどを調整したり、編集までする。編集済みの写真を「写真館」に持っていけば、オペレーターが好きな背景やサイズに調整して写真を現像してくれる。そうすればスタジオの写真館で直接撮影する写真よりも安く「自分だけのオリジナル写真」が作れるというわけだ。またオリジナル写真を待ち受け画面にすることもある。

「アリラン」をBGMにした北朝鮮オリジナル製品

アリランは、電源をオンにすると伝統民謡「アリラン」がBGMとして流れるなど「北朝鮮オリジナル」を強く意識した製品だが、着メロを変えたり、ブルートゥースで写真、音楽などのファイルもやり取りするユーザーもいる。

「マリア姫」というゲーム(内容は不明)をはじめ、15種類のモバイルゲームが入っており、辞書、音楽、動画などの数十種類のアプリケーションが含まれている。

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「『平壌』スマートフォンも存在する。中身は『中国華為(ファーウェイ)社』製だが、『アリラン』は北朝鮮の技術で製造された製品だと宣伝され、『いい半導体電話だ』と口コミで評判が高い。値段は500ドルぐらいだ」(情報筋)

商売の必需品、いわゆる「ビジネスツール」として広く普及した携帯電話が、スマホになって「エンタメツール」として楽しまれる??少し、遅れているものの「北朝鮮スマホ事情」は、世界のIT事情にしっかりと連動していた。