1. 続く公開銃殺
2月末に平安南道南浦市のカンル謌謔ノある「カンャ盗サ鋼所(千里馬製鋼連合企業所)」の支配人が、生産された特殊鋼を密かに横領した罪で銃殺され、3月28日に両江道のサムス郡ポンポ里では、除隊軍人の1人が付近の集団農場の牛5頭を盗んだ罪で銃殺された。
4月8日に両江道のポチョン郡では、荷役商売をしていた夫婦を殺害して品物を奪った容疑で2人の男性が銃殺され、6月初めには「清津連絡所」と呼ばれる459軍部隊の麻薬販売担当幹部、パク・グンチュン(48歳)氏が外国から持ちこんだアダルト映画をコピーして販売した罪で、非公開で銃殺された。
新義州では7月に張成沢中央党行政部長の新義州検閲を仕上げる措置として、17人に対して公開銃殺が行われ、9月29日にも殺人事件に関係した1人と、麻薬取り引きに関わった3人が銃殺された。
これ以外にも、10月7日に咸鏡北道会寧市の公設運動場で、人身売買の容疑(脱北者たちの越境を助けたりした罪)で5人の女性が公開銃殺された。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面2005年3月1日と2日に会寧市で3人が公開銃殺された場面が、その年の4月に日本のN-tvで公開されると、北朝鮮は国際社会の非難を意識して公開銃殺をひかえてきた。
北朝鮮の内部消息筋は、新義州と会寧で行われた公開銃殺は、人民保安省(警察庁)に下った金正日の特別指示文のためだと伝えた。
2. 配給が途絶えた「軍需工場」で餓死者を初めて確認(5月12日報道)
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面去年北朝鮮の南部を襲った水害の被害と、今年上半期に北朝鮮の市場が統制されたことから食糧難に陥り、5月には配給だけに頼る軍需工場で餓死者が出た。
平壌市カンドン郡の00軍需工場では、4月から5月まで1週間に平均2~3人は餓死者が出た。死亡者の多くは50代以上の人やお年寄りだった。
平壌の内部消息筋は当時、「私たちの人民班でも、去年までは草粥を食べる人はほとんどいなかったが、今は1日3食草粥を食べる家庭が増えている」と述べ、「70%くらいが1日3食草粥を食べたり、最低1食は(草粥を)食べているようだ」と平壌の様子を伝えた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面4~6月の北朝鮮の市場の米の価格は、咸鏡北道の清津で1キロ当り北朝鮮の貨幤4000ウォン台を突破する記録が出たが、7月から2000ウォン台に落ちて、韓国の一部の団体が主張した「大量餓死」は発生しなかった。
3. 張成沢が労働党組職指導部第1副部長に復帰(11月9日報道)
金正日の妹の夫である張成沢(62)北朝鮮労働党行政部長が、9月中旬に党と軍を実質的に統制する核心権力機関である、労働党組職指導部第1副部長に任命されたと伝わった。
北朝鮮政府は、今だに張成沢の組職指導部第1副部長復帰の事実を公開の場で言及していないが、朝鮮労働党創立記念日(9.9節)の直後に、彼が党・軍・保衛機関の業務と人事を統制していると内部消息筋は話していた。
張成沢は今年3月から新義州に対する中央党の検閲を直接指揮する一方、軍部隊に対する強度の検閲を主導し、特に金正日重病説以後、北朝鮮の権力告}に対する影響力が一番強い人物として注目され始めた。
張成沢はかつて、労働党組職指導部第1副部長に在職していた時、派閥を作って勢力の拡大をはかり、金正日の別荘に劣らない派手な専用の別荘を建設するなど遊蕩にふけり、2004年に失脚した。その後、2年以上経って労働党の勤労団体や首都建設部第1副部長に復帰した。
4. 「将軍様の健康を知ろうとしたり聞かないこと」(11月3日報道)
9月9日の北朝鮮政権樹立60周年記念行事に金正日が姿を現さず、「金正日重病説」が出て、北朝鮮政府が積極的な対応を取り、住民には「将軍様の健康問題に対するデマはすべて嘘だから、聞いてはならず、知ろうとしてはならない」という指示を下したことが分かった。
10月中旬から人民班と工場の企業所の講演会で、将軍様の健康問題についてうわさをしたり話を作り出す人は、厳罰に処するという方針が強調された。
また、今年下半期から平壌市内の各企業や人民班の住民教育で、金正日の直接の指示を意味する「将軍様の方針」が伝わっていないことも確認された。
8月末以後、「将軍様の方針」が伝わらず、北朝鮮の住民の間では「何かがあるのではないか」、「具合が悪いのは悪いようだ」という言葉が行き交っているが、北朝鮮内部では日常生活が続いているという。
一方、北朝鮮政府は金正日重病説が出た後、各機関の文件管理体系を新しく改編する一方、住民に対して「国家の秘密を徹底的に守ろう」という内容の教育を強化している。
5. 北, 「コチェビ」とは異なる「チェビテ」が頭痛の種(8月26日報道)
北朝鮮政府が駅の周辺や市場を中心に横行する、「チェビテ」と呼ばれる10代の強盗集団に頭を抱えているという。
最近、国境付近や羅津・先鋒、清津、咸興、南浦市を含めた大都市に強盗集団が出没して幅を利かせているため、非社会主義検閲グループはもちろん、保安所(警察)や巡察隊、保衛部、青年同盟の不良青少年グループまで動員されて、「チェビテ」の取締りに苦心している。
「チェビテ」は「コチェビ」(浮浪児や家のない人)と区分して、青少年強盗団を指す言葉だ。「チェビテ」という言葉は北朝鮮の自由経済特区である羅津・先鋒で初めて使われたというのが、北朝鮮の内部消息筋の説明だ。
「チェビテ」は普段は端正な身なりで静かに行動しているため、犯罪者とは気づかないが、群れをなして行動する時は恐ろしい強盗に変わると消息筋は伝えた。彼らは集団で市場や駅、住民の居住地を徘徊し、窃盗や強盗、密輸、強姦、果ては殺人に至るまで、組織的な犯罪をしているという。
6. 北、 北京オリンピックに備えて国境統制を強化(8月7日報道)
北朝鮮は北京オリンピックに備えて、中朝国境地域を統制するために、無人カメラなど最新設備を設置して住民たちの越境を取り締まった。
豆満江の中朝国境地域には、北朝鮮の国境警備隊の各中隊が中国製の監視カメラを補強し、会寧市一帯では中国製の釘で作られた「釘板」を国境に設置したという。
北朝鮮の国境統制が強化されると、北京オリンピックの期間に越境者たちが国境警備隊の軍人に賄賂として捧げるいわゆる「渡河費用」が、最高で5千人民元にまで上がった。
咸鏡北道茂山の国境では、5千人民元あれば北朝鮮の国境警備隊が川を越える時に見守ってくれ、中国側で中国の辺方隊の軍人たちが車に乗せて、延辺の朝鮮族自治州のファリョン市までエスコートするサービスもあった。
7. 中国、オリンピックに備えて脱北者を標的検挙(7月24日報道)
北京オリンピックを控えて、中国公安当局が延辺の朝鮮族自治州一帯で脱北者に対する標的捜査を行った。
吉林省の公安当局は、7月16日に延吉に北京オリンピックの聖火が到着するのに控えて、4月からこの辺りで「外国人身分証」の検査を始めた。この過程で、最低100人以上の脱北者が中国公安当局に連行され、7月10日には延辺自治州の汪清だけでも、最低20人以上の脱北者が検挙されたことが明らかになった。
延辺自治州で脱北者支援活動をしているNGOの関係者によると、親戚訪問の目的でパスポートを持って中国に来て、お金を儲けるために滞在期間を越えた後も住んでいる北朝鮮の旅行者も巻き込まれたという。
北朝鮮の住民がパスポートを持って中国を訪問する場合、中国政府は通常3ヶ月滞在することができるビザを発給して、住居と職場が一定している場合は最大1年まで滞在ビザを延長するのがそれまでの慣例だったが、3月にチベットでデモがあり、外国人に対するビザの延長が全面的に禁止されて、「違法滞在」の身分に転落した北朝鮮の旅行者たちが増えたのだった。
8. 相次ぐ北の幹部の麻薬関連事件(7月2日報道)
6月に咸鏡北道の清津市で、中国の麻薬組職の委託を受けて麻薬を作った幹部が大挙して逮捕された。
清津市の革命戦跡地・史跡地保存管理所の責任者だったコ某氏を含めて、清津市の初級党書記、清津市病院の院長や製造室の課長、医師などがこの事件に関わっていたという。
今回の事件の首謀者だったコ氏は朝鮮総連系の帰国者の子孫で、金日成・金正日史跡地の管理に必要な資材を持ち込むために、中国に頻繁に出入りしていたという。中国の麻薬取り引き業者から50キロの麻薬の製造を委託され、麻薬の生産に必要な原料である「塩酸エフェドリン」まで渡された。
2月には咸鏡北道会寧市の保安所の予審課長だったキム・テギル(47)氏が中国に麻薬を販売した容疑で内部裁判にかけられた。
6月には朝鮮労働党の作戦部傘下にある「清津連絡所」の麻薬販売担当幹部、パク・グンチュン(48歳)氏が、アダルト映画のコピーを販売した罪で非公開処刑された。パク氏は今年3月末に咸鏡南道の咸興市で麻薬550gを運んでいた時、尾行していた咸鏡北道の保衛部に逮捕された。
また、1月10日に咸鏡南道の咸興市の保安所(警察署)の監察課長が、麻薬犯に対する捜査の記録を流出し、事件を隠蔽した容疑で処刑された。
9. 北 新兵募集が深刻…43キロ以下も入隊(5月26日報道)
北朝鮮では今年の春に、人民軍の新兵徴集事業で、身長148cm以下、体重43キロ以下の男性の青少年まで、疾病がなければ全て入隊させたことが分かった。
北朝鮮の内部消息筋は、「これまで視力0.4未満の人も入隊することができなかったが、今年はめがねをかけなければならないくらい視力が悪い中学生も全員徴収された」と言い、「去年の秋から身体検査を実施した軍事動員部の幹部たちは、『疾病がなければ軍隊に行ってもっと成長するのがよい』と、身体検査を行った」と現地の状況を説明した。
今年の春に入隊した青年は多くが1991年~1993年生まれで、1990年代半ばの北朝鮮の食糧難の時期に、1次成長期を送った不運な世代だ。また、出生率の減少が本格化した時に生まれた人たちで、既成の世代より人口の割合も減少した世代である。
消息筋はまた、「徴集対象者の数や健康状態が満足できるほどでなく、国家は女子学生の支援入隊も督促した」と言い、「3月には軍服務をしない女性は幹部に登用しないという内部指針が伝達された」と付け足した。
10. 平壌の軌道電車が転覆、アリラン公演の学生400人が負傷(8月6日報道)
7月20日に平壌市の楽浪橋のソンMョ区域側で、電車4両が転覆する事故が発生して、アリランの練習に参加しようとしていた学生400人以上が負傷した。
この事件は青年通りに向かって楽浪橋を渡っていた軌道電車が突然の停電で停車し、後に続いた電車が衝突して転覆し、「停電」が直接の原因であると指摘された。
これと関連、平壌市の人民保安所では国家事業(アリラン公演)に支障が出たという理由で軌道電車の運転手たちを拘束した。
現在、平壌で運行している300台余りの軌道電車は、1990年にチェコから持ちこんだ中古品で、部品の調逹も難しくて毎日誤作動を起こしているという。