「タイプとしては、コワモテですね。独断専行型で、ハッキリ言って組織内でも人気はない」(総連OB)
とはいえ、何ら人間的な力がないとなれば、組織のトップが務まるはずもない。他の元総連幹部は、次のように話す。
「集金力とか権力欲とか、そういう部分では昔の自民党政治家とよく似ているんじゃないですか。ひとことで言って、泥臭い。北朝鮮の幹部にも、自民党タイプはけっこう多いんです。対日担当だった金容淳(キム・ヨンスン)党書記なんかもそうだったけど、彼は周りから好かれるタイプだった。許宗萬氏のことが好きだという人はあまりいないけど、若いころから目立ってはいた。サッカーも上手かったしね」
許氏は実は、東京朝鮮高校に在学中の1955年、全国高校サッカー第33回大会にレギュラーとして出場。ウイングとして活躍し、初出場ベスト4入りに貢献している。
「技巧派ではなかったけど、体力とキック力は高校生離れしていた」(前出・元総連幹部)
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面総連幹部となってからは、もっぱら日本政界との水面下接触を担当。そこで築いた人脈を武器に、組織の内外で権力を振るったと言われる。
最近になってからは一時、北朝鮮本国を訪問しても金正恩氏の面会が適わないなど権威失墜を思わせる場面もあったが、競売にかけられた総連本部ビル(東京都・千代田区)の継続使用を決めたことで立場を挽回。本国から異例の称賛を受けるまでになったことで今後、日本政府に対して強い姿勢で出る可能性もある。
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