在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)と関係が深いと見られる貿易会社が、北朝鮮からマツタケを不正に輸入していた疑いが強まり、警察当局が東京都台東区の貿易会社社長ら2人を外為法違反(無承認輸入)の疑いで逮捕。同時に朝鮮総連の関係先を捜索した。この事件をめぐっては、京都府警などが2014年5月12日に行った朝鮮総連の傘下企業などに対する捜索について、朝鮮労働党機関紙・労働新聞が日本のマスコミに先駆けて単独報道していた。同紙2014年5月19日付が掲載した朝鮮中央通信の記事全文は次の通り。(※小見出しは編集部)

日本警察当局、朝鮮総連の同胞企業に対する強制捜索を敢行

日本の警察庁は、京都府、神奈川県、山口県、島根県の各警察本部による「合同捜査本部」なるものを立ち上げ、5月12日に「外為法」違反嫌疑という口実をもって総連傘下の同胞企業と商社など20ヶ所を強制捜索する暴挙を敢行した。

警察当局はある同胞の会社が中国から輸入した松茸を「朝鮮産松茸」であるとし、これを「外為法」違反嫌疑にかけて強制捜索の蛮行を繰り広げた。

警察庁が直接指示

看過できないのは、この会社の社長と役員が4年前まで朝鮮特産物販売株式会社と海洋薬業株式会社で働いていたというただひとつの理由で、何の関連もない総連傘下の商社に対し、警察官たちを大々的に動員して強制捜索を奇襲的に強行したことである。

この日、朝鮮特産物販売株式会社の社長宅では、妻の母が亡くなったため祭事が行われていた。それにもかかわらず、警察当局は捜査員13人を動員し7時から15時まで暴圧的な強制捜索に狂奔した。

また、海洋薬業株式会社の代表取締役宅に対しては捜査員10人が7時から22時30分まで、海洋薬業株式会社事務所に対しては捜査員16人が10時から23時まで捜索を悪辣に繰り広げた。

今回の強制捜索は徹頭徹尾、警察庁の直接的な指示のもとに敢行された。

警察庁は、政府の拉致問題対策本部事務局長に新しく登用された者が本部長を務めていた神奈川県警察本部に、今回の「合同捜査本部」を設置し、捜索令状は京都府警察本部が京都地方裁判所から受けるという非常に異例的な措置を取った。

それでありながら警察庁は、「外為法」違反嫌疑の法的根拠が非常に希薄なため、強制捜索はするものの逮捕者は出さず、公開もしない代わりに、徹底した捜索で最大限の資料を押収しろとの指示を内々に下していた。

朝鮮特産物販売株式会社の社長宅に対する強制捜索のときには、立ち会った弁護士が「外為法」違反の内容は何であり、そこにこの会社がどのように関連しているのか、と強く抗議し追及したにもかかわらず、警察官たちは一切無視し、「強制権による捜索だ」とうそぶきながら捜索を強行した。

大阪の税関員が捜索中、「押収品目録交付書」に「被疑事件に関連する押収品はひとつもない」と記録して先に帰ったが、警察官たちは執拗に捜索を継続した。

内部実態を徹底調査

とくに海洋薬業株式会社に対する強制捜索で、警察官たちは「朝鮮語が分からない」として、朝鮮語の文献と資料は例外なく無条件にすべて持ち帰り調査すると公然と言い放ちながら、個人の手紙、甚だしくは結婚式の写真まで手当たり次第すべて押収していった。

このような狂乱的な暴挙は、総連第23回全体大会を控え、さらに総連中央会館に対する売却許可決定と関連して総連が提出した執行抗告を東京高等裁判所が棄却した日にときを合わせて行われた、総連と在日同胞に対する容認しがたい政治弾圧であり、人権蹂躪の蛮行である。

強制捜索現場に立ち会った弁護士たちをはじめとする法曹界の人士たちは、今回の強制捜索は刑事訴訟法すら完全に無視した違法な捜査であり、総連弾圧を狙ったファッショ的暴挙であり、そこには、総連の内部実態を徹底的に調査掌握し、新しい嫌疑をねつ造することで、任意の日時に総連中央をはじめとする総連の各級機関を強制捜索しようという陰湿で凶悪な企図が潜んでいると一致して述べている。

また、同胞個人の商社の「外為法」違反嫌疑とは何の関係もない朝鮮特産物販売株式会社と海洋薬業株式会社の関係者に対する関連捜索という令状を出した裁判所も、違法な捜索の加担者だと非難している。

とくに関連捜索という曖昧模糊とした口実をもって捜索範囲を無制限に拡大した今回の強制捜索は、日帝時代の「治安維持法」のもとで敢行された特別高等警察の「予備検挙」(容疑があろうとなかろうと警察側が恣意的かつ一方的に捜索、検挙したこと)と変らぬ極めて深刻で危険な暴挙であると糾弾の声を高めている。

尊厳高い主体朝鮮の海外公民団体である総連と在日同胞に対する悪辣な政治弾圧と反人倫的な人権蹂躪行為は、絶対に容認することは出来ない。警察庁のファッショ的暴挙によってもたらされるすべての事態に対する責任は全的に日本当局が負うことになるであろう。

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