治山治水事業をしっかり行って、国を錦繍江山にするように”と指示した金正日の発言を整理した労作が発表された。
北朝鮮のウェブサイト、ウリミンジョクキリ(我が民族同士)は6日、”2002年3月6日に、党、国家、軍隊の幹部らに指示した内容”と明らかにした。この発言の具体的な場所は公開しなかった。
労作とは、金日成と金正日の思想的・理論的指針を盛り込んだすべての出版物を示す包括的な名称を意味する。
労作の主な内容の要約
-私たちが治山治水事業を粘り強く行わなかったため、徐々に山に木が少なくなり、山林が使えなくなり、河川の姿もなくなりました。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面更に、帝国主義者の孤立圧殺の策動と、数年間続いた過酷な自然災害で、国の経済が困難になり、木を自分勝手に切って山で焼き畑を掘り起こし、野山を含めて多くの山が禿山になり、川に土砂と砂利が積もって川底が高くなりました。
-それで私は数年前から治山治水事業をしっかりと行うために、現地指導をする時も話をし、機会がある度に強調しました。
私が治山治水事業をしっかり行うために強調した後、植樹と河川の整理事業を沢山行おうとしましたが、治山治水事業はまだ党が要求する水準で行われていません。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面金正日の発言の内容の解説
今回の労作は、金正日が治山治水事業がうまくいかない原因が、関係者らの無責任な態度にあると指摘した。結局、山林が荒廃した原因が住民たちの焼き畑の開墾と濫伐を幹部たちが阻むことができなかったという指摘だ。
95年以後、食糧難の時期に食べ物がなく、住民たちは各々木の根を食糧の代用として食べたため、山を伐採した。また、非常に寒い冬に凍え死なないために、木を切って薪として利用した。段々畑を開墾して食糧も生産した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面当時、暖房用のエネルギーは全面的に石炭に頼っていた北朝鮮では、火力発電所に入れる石炭も不足して、途方に暮れていた。
生と死の線上で生きるための戦いをしていた住民たちが、仕方なくもたらした荒廃化だった。もし当時、こうした住民たちの生存のための戦いを統制して阻んだら、多分今生きている住民はほとんどいないと、脱北者たちは言う。
更に、帝国主義者の孤立圧殺策動と、数年間続いた過酷な自然災害のためだと弁解している。山林の荒廃を帝国主義の経済封鎖と自然災害に関連づけるのには、何の根拠もない。
国際社会は北朝鮮に薪まで解決することができないほど、圧力をかけはしなかった。なおかつ、アメリカは1994年のジュネーブ合意以後、毎年50万トンの重油を提供してきた。にもかかわらず、金正日はエネルギー難の責任を国際社会に転嫁して、民生の破綻の責任がアメリカにあると言っている。
数年間の自然災害という言いわけもそうだ。95~97年にかけて、北朝鮮で日照りと洪水が相次いだのは事実だ。97年以後大きな自然災害がなかったのであれば、北朝鮮の山林はある程度緑化が進まなければならない。しかしそのような事実はない。金正日が国土建設と治水関係の事業の失敗の責任を自然に転嫁したのだ。
食糧難の解決なしに禿山の解決はなし
労作は金正日が治山治水をしっかりとするようにと、機会がある度に教えたのに、相応の水準で貫徹されていないと指摘している。
北朝鮮の木の日は4月6日(金日成が47年4月6日に平壌市のムンス峰に登って木を植えたという)だった。しかし、99年から金日成・金正淑・金正日が46年3月2日に牡丹峰に登って木を植えたという日を記念して、3月2日に変更した。
北朝鮮は毎年春期(3~4)と秋期(11~12)の1ヶ月間、‘国土建設総動員期間’を宣布して、河川の整理と植樹運動をしている。国土建設運動は96年3月に金正日が平安北道クジャン郡、ヨンムンデグルを視察し、荒廃した周辺の環境を見て、植樹及び国土管理をするように指示した時から行っている。
北朝鮮は2007年に10億以上の造林を目標に、毎年これだけの数の木を植えている。国土建設が始まってから10年が経った今、北朝鮮の山はどうなっているのだろうか。
国土建設がまともに行われていたら、北朝鮮の山は木がうっそうとしていなければならない。しかし、北朝鮮の山に赤肌が残っている原因は、食糧問題がまだ解決されていなかったということを意味する。
住民たちに3年間苗木を植えさせておいて、穀食を植えて食べるように指示したため、住民たちの立場としては、自分の畑に伸びる木が限りなく憎いだけだ。そのため、住民たちは3年が経ち、木が影をつくるほど成長したら、木を伐採してしまって、他の苗木を植えている。
結局、木を植えるという形式だけで、山は禿山のままなのである。食糧問題が解決する前は、北朝鮮の山は永遠に禿山だろうというのは、火を見るよりも明らかだ。