丹東市内に貼りだされた脱北兵士の指名手配書
丹東市内に貼りだされた脱北兵士の指名手配書

中朝国境を流れる鴨緑江の支流を越えて、朝鮮人民軍の兵士2人が脱北する事件が発生した。うち1人は中国公安に逮捕され、もう1人は逃走中だ。

中朝国境地帯の中国側では脱北兵士による強盗殺人が相次いで発生している。昨年末にも、吉林省延辺朝鮮族自治州の和龍県で脱北兵士が食べ物欲しさに老人4人を殺害する事件が起きたばかりだ。

武装したまま逃げた恐れ

事件が起きたのは17日の明け方。朝鮮人民軍の兵士2人が平安北道(ピョンアンブクト)新義州(シニジュ)市の黄金坪(ファングムピョン)から、川を越えて中国の丹東市に脱北した。黄金坪と丹東の間は、川幅わずか数メートルの小川に隔てられているだけで、場所によってはフェンスすらない。

2人は武装した状態で脱北したこともあり、丹東市公安局では重大事案と見なして大々的な捜索に乗り出した。丹東市内には指名手配書が貼りだされた。

丹東市新城区国境守備派出所が張り出した手配書には「黄金坪から朝鮮人民軍兵士2人は不法入国した。銃などの凶器を持っている恐れがあるので警戒せよ。容疑者を発見したらすぐに通報せよ」と書かれている。

もう1枚の指名手配書(画像)には詳しい個人情報が書かれている。脱北兵士の名前はキム・ヒョンナム。1996年12月12日生まれで身長は164センチ、軍服を着用しておりナイフ2本、ナイトスコープ1個、空の弾倉3つを持っているが銃器は所持してないとのことだ。

19日に1人の身柄は確保 もう1人は逃走中

19日になって脱北した兵士のうち1人が黄金坪から数キロ地点にある丹東新区のそばの村で逮捕された。目撃者によると公安と人民解放軍の軍人が大挙出動した。脱北兵士は女性を人質に取って抵抗したが結局取り押さえられた。

黄金坪経済特区で畑を耕している北朝鮮の軍人(画像:デイリーNK特別取材チーム)
中国側から撮影した北朝鮮の黄金坪

丹東の情報筋によると、もう1人の兵士は他の都市に逃走した可能性がある。現在、丹東駅やバスターミナルでは検問が強化されている。また、周囲の裏山などでも公安が大々的な捜索活動を行っている。

情報筋は「全体的に平穏ではあるが心配する人が増えている。丹東市民たちは『彼らはおそらく腹を減らしていたか、あるいは上官との関係がうまく行っていなかったのだろう』と噂している」と現地の雰囲気を伝えた。

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