北朝鮮の地方都市の市場
北朝鮮の地方都市の市場
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北朝鮮当局は最近、市場に対する統制を緩めつつある。従来は50歳以下の女性は市場で商売をしてはならないという年齢制限があった。それが昨年来、まずは地域を限定して廃止され、今年初めからは全国で撤廃されている。

商人の年齢制限撤廃、テナント使用許可もすぐに出るように

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋によると、以前は取得するのが難しかった売台(テナント)の使用許可が、最近になってすぐに出るようになった。また、50歳以下の女性は市場で商売をしてはいけないという規則も撤廃された。

今までは市場で商売をするようになると職場に出勤しなくなり、そこで行われる農村動員、建設動員、思想教育のための講演会などに参加しなくなるため、50歳未満の女性には市場での商売を許可していなかった。ところが今では、午前は職場に出勤して商売は午後にするよう奨励しているとのことだ。

それに伴い、市場で若い女性を見かけることが多くなり、恵山(ヘサン)の市場も売台が増えて今では数千に及ぶ。恵山市当局が得る売台賃貸料もかなりのものになるだろう。

経済的に余裕→動員に積極的に応じる女性増加

売台許可の増加、年齢制限撤廃に加え、露天商への取締も緩くなった。かつては取締の対象だった市場外の露天商も最近は取り締まられなくなった。それで家にこもっていた女性たちが我先に商売に乗り出している。

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別の情報筋によると、「また急に取締が厳しくなったらどんなひどい目にあうかわからない」と最近の動きを疑ってかかる女性はいるものの、ほとんどは肯定的にとらえているようだ。

若い女性が経済活動に乗り出したことで、家庭も市場も雰囲気が明るくなったと内部情報筋は評価する。さらに注目すべき点は、いやいや参加していた動員や講演会にも積極的に参加する女性が増えたことだという。商売が許可されて経済的に余裕ができたことで、心にも余裕ができたようだ。