丹東の鴨緑江沿いに建つマンション群 ©Max-Leonhard von Schaper
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中朝貿易の最大の拠点、中国遼寧省丹東市の郊外にある東港を牛耳っている黒社会(ヤクザ)のボスと北朝鮮の各機関が深い関係にあると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。そのボスは以前、金正恩氏に粛清された北朝鮮の実力者・張成沢氏とコネを作り、相当な荒稼ぎをしていたという。

張成沢との関係で大儲けした中国ヤクザ 粛清後は大損

中国の対北朝鮮情報筋はRFAに次のように語った。

「中国丹東市郊外の東港にソンという名前のヤクザがいる。彼は朝鮮人民軍、労働党39号室傘下の外貨稼ぎ担当幹部、国家安全保衛部の貿易担当幹部と結託して手広く儲けている。北朝鮮の貿易担当者で彼の名前を知らない人はいないだろう。そのきっかけになったのは張成沢との縁だ」

張氏は2011年、中朝国境に面している丹東市郊外の黄金坪(ファングムピョン)、威化島(ウィファド)の経済特区開発の総責任者となった。それを聞きつけたソンは、張氏に近づくべくあらゆる手を尽くしたという。それが功を奏し、北朝鮮への投資を始めて大儲けした。

2012年に平壌・大同江ホテルのリフォーム工事に3000万ドルを投資した。ところが、翌年末に張氏が処刑されたことで、全額がパーになってしまった。それでも、ソンはびくともしなかった。

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それもそのはず、ソンは丹東宝華集団と水産物卸売市場を牛耳っている企業型ヤクザで、東港港の出航許可証の発給権さえも握っており、その利権から生じるキャッシュフローは3000万ドル程度の損失では揺らぐはずがないという。

丹東市長よりも力の強いソン 中国政府とも強力なコネ

丹東在住の韓国人情報筋はソンの持つ莫大な権力についてこう話す。

「丹東では市長よりソンの方が力を持っていると言われている。習近平政権が腐敗撲滅を進めているが、それにもひっかからないのは中国政府の幹部にもコネがあるからだろう。東港から北朝鮮に向かう船はソンの許可無くしては出航できない。それはソンが北朝鮮海軍と強力なコネを持っているからだ。2012年8月に中国漁船3隻が北朝鮮の領海に入って拿捕された時も、ソンが間に入って巨額の身代金が動いた」

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北朝鮮の保衛部は闇夜に乗じて東港から自動車、オートバイ、テレビなどを北朝鮮に密輸しているが、それにも当然、ソンが絡んでいるだろうとの噂が飛び交っているという。