丹東市内の様子 ©Max-Leonhard von Schaper
北朝鮮貿易関係者が多く住む丹東市内の様子 ©Max-Leonhard von Schaper
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中国駐在の貿易関係者たちが北朝鮮に続々と呼び戻されていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

「総和なんかなかったらいいのに」→「期待した俺が馬鹿だった」

10月末から今月初めまで続いた北朝鮮のエボラ対策によって、北京から丹東経由で平壌を結ぶ国際列車は空気輸送状態だった。しかし、中国駐在の北朝鮮貿易関係者の帰国ラッシュが始まり、切符の入手が困難になるほど混雑している。

帰国の理由は、年末にできなかった「年末総和」(総括)を行うためだ。

中国在住の情報筋によると、関係者たちは「2014年の総和はナシになるかも」と淡い期待を抱いていたらしい。ところが、召還命令が出たことからボヤきながら帰国しているという。

「政府が『今年の総和はナシ!』って言うわけないよな・・・」

総和のほとんどが「資本主義の垢を落とす」思想教育

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海外に駐在する貿易関係者の総和は、年間の実績を報告するもので通常は年末に1ヶ月程度かけて行われる。しかし、実際のところ総和は2〜3日で終り、残りは思想教育にあてられる。

資本主義の「垢」を落として、唯一指導体系と白頭血統(金氏一家)への忠誠心を養うための学習をさせられるのだ。

前述の情報筋によると、貿易成績が悪かったり、駐在期間が長くなりすぎた関係者は、今年初めに既に帰国させられている。現在、召還されている関係者たちは「総和」が終われば中国に戻るものと見られる。

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また、別の情報筋によると、貿易関係者たちは「あること」の準備のため大忙しだという。

「所属機関の幹部や労働党幹部に上納するプレゼントの準備、さらに太陽節(4月15日金日成氏の生誕記念日)に上納する「忠誠資金」の調達のため奔走している真っ最中だ」(北朝鮮の貿易関係者に詳しい情報筋)