北朝鮮の事実上のナンバー2だった張成沢(チャン・ソンテク)が処刑されて1年以上過ぎたが、ここにきて改めて張成沢の「黒い噂」が拡散しているという。
平壌在住のデイリーNKの内部情報筋は11日、「ここのところ住宅建設が大々的に行われているが、今年初めから建設関連の幹部の間では、張成沢が横領していた巨額のお金が建設事業に投資されるという噂が流れている」
情報筋によると、張成沢が処刑された直後は「優秀な幹部を失ってしまった」という失望の声もあったが、ここにきて次のように難する幹部も多いという
「張成沢は、経済部門と軍事部門の地位を利用して住民が血と汗を流して稼いだお金を『忠誠資金』だとして奪い取った。10年は余裕で暮らせる金額だ」
「(金正恩氏の)叔父さんにもかかわらず殺されてしまったが、それには全て理由がある」
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「我々が、配給もなしに苦労したのはヤツ(張成沢)のせいだ。ヤツのような人間はまだいる」
張成沢に対するこうした「黒い噂」が流れる一方で、北朝鮮当局のある意図が見え隠れするという指摘もある。
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北朝鮮指導層の横領は日常茶飯事だといわれるが、張成沢の「黒い噂」も北朝鮮当局が故意に虚偽の情報を流している、すなわちディスインフォメーションの可能性も捨てきれないとのことだ。