脱北者からの仕送りを狙った詐欺事件
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北朝鮮の警察にあたる人民保安署の幹部が、脱北者家族追放リストから名前を削除してやると持ちかけて、巨額の金を巻き上げた詐欺事件が発覚したと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。
咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋は次のように説明した。
「中央から脱北者を家族に持つ人々を街から山奥に追放せよという指示が下った。茂山(ムサン)郡保安署の住民登録課長など3人はこの指示を悪用して、金を持っていそうな人、つまり韓国にいる脱北者から仕送りを受け取っている家族に追放リストから名前を削除してやるともちかけて金を騙しとった」
要求された額は1家族あたり5000〜1万人民元(約9万7000〜19万3000円)で、3人は数万ドルを荒稼ぎしていたものと思われる。
対象多すぎて政策中止、被害者が保安署に殺到、3人はクビ
ところが、対象者(脱北者がいる家族)があまりにも多く、追放者が送られる地域からも不満が高まっために脱北者家族を追放できなくなった。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面その情報が住民の間に伝わり、巨額をつぎ込んだ人々がカネを返せと保安署に押しかけたために彼らの不正が発覚。住民登録課課長と同じ部署の指導員2人がクビになった。
内部情報筋は「住民登録課なんて保安署の中でも対して力のない部署だとばかり思っていたが、ずいぶんと狡猾な手法で金を巻き上げるものだ」と驚きながら「そんなに金が欲しいなら、親戚を韓国に送って自分たちも脱北者の家族になって仕送りでもしてもらえばいい」と皮肉を言っているという。