世界人権宣言60周年の前日である9日に、北朝鮮の人権問題の改善に取り組んでいる市民団体が、脱北難民問題を解決し、強制送還を防ぐべきだと主張した。

この日、50余りの北朝鮮人権団体で構成された「脱北難民の強制送還を阻止する国際キャンペーン」（共同代普Fソ・ギョンソク）が、韓国・ソウルのチョン洞にある第一教会の前で脱北者の強制送還パフォーマンスをするなど、7回目のキャンペーンを行い、脱北難民の人権保護を訴えた。

ソ・ギョンソク牧師はこの日、「現在中国など第3国に数万人に達する脱北者がおり、今日も強制送還で苦しんでいる。それは彼らにとっては死を意味する。中国政府は毎年5千人の脱北者たちを逮捕、強制送還させる人道主義に反する措置を講じている」と主張した。

また、「彼らの人権を無視して他の人権だけを主張するのは、うそで偽善に満ちた行為だ。脱北難民問題は進歩、保守、与党、野党を問わず関心を持つべき問題」と強調した。

国際キャンペーンは声明文で「世界一の人権侵害国である北朝鮮は脱北者たちを反逆という罪で厳しく処刑している。中国はこのような事実を知りながらも脱北者を逮捕し、強制送還を続けている」と中国を非難した。

更に、「世界人権宣言第14条にはすべての人は迫害から逃げ、他国で避難所を求め、保護される権利があると書かれている。難民協約の第33条には、難民を命や自由が脅かされる懸念がある国に追放したり、送還することを禁じると述べられている。1982年に難民協約に加入した中国は国際法に従うべきだ」と主張した。

また中国に対し、「世界の平和を象徴するオリンピック開催国として平和や人権に目を逸らした恥ずかしい行動だ。韓国も中国の胡錦濤主席との会談で脱北者問題を取り上げたくらいで、実際に何の対策も講じていない」と指摘した。

国際キャンペーンは韓国と中国の各機関に抗議の手紙や電話をして、脱北難民の保護を強く訴えようと、韓国国民に呼びかけた。

この日のキャンペーンはソウル・チョン洞を出発して国家人権委員会、外交通商部を経て、在韓中国大使館前まで行進した。