北朝鮮産のモルヒネのパッケージ。「アヘン粉」と書かれている。
北朝鮮産のモルヒネのパッケージ。医療用と推定され表には「アヘン粉」と書かれている。

治安機関の「自白剤」が流出

北朝鮮の治安機関で「自白剤」として使われてきた幻覚剤が市中に出回り、急激に拡散している。流出経路を探るべく北朝鮮当局が大々的な捜査に乗り出したと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。

「完全にラリる」という意味の「ポン」(?、韓国では「ピョン、?」と表現される)と呼ばれる北朝鮮産の幻覚剤が「新種の麻薬」として市中に出回るようになっている。

慈江道(チャガンド)の内部情報筋がRFAに語ったところによると、「ポン」は国家保衛部と人民保安部の政治部が徹底管理していて、ごく少数が供給されていたが、今市中に出回っているのはこれを模造した偽物だ。

オルム(覚せい剤)は1グラムが10階分で110人民元(約2100円)、ポンはアンプル1本が3回分で80人民元(約1528円)で売られている。

咸興一帯で大々的な取締り

北朝鮮当局は、徹底管理しながら一部機関のみに供給していたポンが、市中に出回ったことに対して焦り、流出ルートや流通経路の調査に乗り出した。

先述の内部情報筋によると、2月初めから始まった「麻薬検閲」のメイン・ターゲットは、まさしくの「ポン」だと語っている。

別の両江道(リャンガンド)の内部情報筋も「もともとニセ医薬品が多く作られているのは咸興(ハムン)で、ポンもそのあたりで作られ始めた。麻薬取締班は製造先を探すために咸興一帯で大々的な取締りを行っている」

「ポン」はLSDか

ポンがどのような幻覚剤かは、記事では明らかになっていないが、少ない情報から推測するとLSD(リゼルグ酸ジエチルアミド)の類いと見られる。

LSDは、かつて米CIAが自白剤として研究したことがあり、初期はアンプルで出回っていた。

LSDの危険性は、調査によって異なるが概ね依存性や健康に与える害は相対的に低いとの結果が出ているものの麻薬に変わりはない。国連の向精神薬に関する条約では、規制を行うよう加盟国に求めており、全世界的に禁止薬物に指定されている。