北朝鮮国境警備隊の哨所 ©Roman Harak
北朝鮮国境警備隊の哨所 ©Roman Harak

中朝国境地域の警備隊員が、小遣い稼ぎに脱北と密輸を助ける事例が後を絶たない。北朝鮮当局は重罰を明示した「担保書」(念書)を警備隊員から受け取っている。この担保書には違反の程度に応じて教化所行き、党籍剥奪、強制除隊などの刑罰が記載されている。

取締強化に脱北、密輸の手助け「とてもできない状況」

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は次のように語った。

「2月初めから『国境での脱北、密輸行為傍助根絶』に関する指針が下された。余程の度胸がなければ密輸や脱北の手助けはできない状況だ。」

「保衛指導員は『自分の国が嫌だと逃げるやつを手助けすることも、資本主義思想の持ち込みを見逃していることも国境警備隊の軍人たちの思想状態が変質したせい。今までいくら言っても聞かなかった。いいかげんにしろ』などと脅かしている」

「(河原の)雪の上に足あとがあったり雪を片付けた跡があるだけで、密輸の痕跡だとして大変なことになる。以前は川沿いの洗濯場所や水汲み場所で少し賄賂を渡せば中国の商人と取引ができたが、今ではとてもできない」

「密輸を手助けしているのがバレたら党籍と党証を剥奪される。二度目は教化所行きとなる」

強制除隊、労働党党籍剥奪は厳しい社会的制裁

労働党に入党するには忠誠心に加えて出身成分、生い立ちなどが厳しく審査される。せっかく入党した労働党を追い出されれば、社会的に厳しい制裁を受けるはめとなる。

「非党員の場合は一回摘発されるだけで強制除隊させられる。出党者(党籍剥奪者)と軍隊から強制的に除隊させられた者は、社会に戻っても落伍者扱いだ。記録が残るので就職もかなり難しくなる」(内部情報筋)

内部情報筋によると、密輸業者たちは危険を犯してでも国境警備隊隊員を通さず、中国の商人と直接取引するようになっているという。