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この時、仲介したキム・ジョンチョルは北朝鮮版の「ジャパン・スクール」出身で、柳敬氏が党国際部、国防委員会と所属が移った後も彼の通訳を担当。代々のアジア大洋州局長と柳敬氏との間でも、連絡役を務めていたという。

元外務省関係者は、当時の状況を振り返った。

「外務省では、彼の名を『金鐘徹(キム・ジョンチョル)』と表記していました。歴代のアジア大洋州局長と彼が水面下で接触していたことは、北東アジア課では公然の秘密だった。ミスターXが誰であるのかは局長しか知らなかったと思います。おそらく、第2のミスターXについても同じでしょう。小泉訪朝に際しては、田中均局長(当時)がミスターXと数十回以上交渉したといわれますが、実際のところ、直接の接触回数はそう多くないはずです。ほとんどの場合、金鐘徹を介して行われていたんですよ」

独裁国家に突かれる「タテ割り」の弱点

キム・ジョンチョルが橋渡しするアジア大洋州局長とミスターXの秘密接触は、日朝や米朝関係が緊張した時期にはあえて連絡を行わないなど、「情勢に影響されず、パイプを維持すること」を目的に継続されてきたという。少数精鋭で対応する外務省にとって、このルートは“頼みの綱”そのものだったのだ。