北朝鮮の児童に対する国際社会の人道支援が、平壌など一部の地域に過度に集中して、地域ごと、階層ごとの格差が日々深まっているという指摘が出ている。
北韓人権市民連合(理事長ユン・ヒョン)とアジア人権センター(所長ホ・マンホ)が2001~08年に脱北した青少年40人と成人10人を対象に面談調査を行い、1日(現地時間)に国連児童権利委員会に提出した「北朝鮮の児童の権利の実態報告書」で、このような証言が紹介された。
報告書は対北支援団体が1995年から2000年代初めまでは、北朝鮮の奥地である平安北道や咸鏡北道で、児童のための栄養パンを直接支援して、比較的透明な伝達が可能だったが、その後平壌にパン工場を作って支援する方法に変わり、咸鏡北道の児童に対する支援がほとんど行われていないと指摘している。
また、国連の職員が「国連菓子」と呼ばれる栄養価の高いビスケットを直接配らずに、各学校に分配をまかせた場合、ビスケットが無償で提供されずに教師が生徒たちから公然とお金をもらって売ったり、市場で売買する副作用が現われたと明らかにした。
報告書は更に、「北朝鮮全域で広く見られる児童の学業中途放棄の原因は、単に食糧不足のためではなく、農業支援や軍の援護事業(軍需支援)、外貨稼ぎ、『良い仕事をする運動』など様々な名目で課される過度な労働、経済的搾取にある」と述べている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面また、北朝鮮の児童が外貨稼ぎの目的で麻薬の原料である阿片の栽培に動員されてきた問題と、脱北した後に強制送還された児童たちが経験する処罰の実態の変化と推移も明らかにした。
北朝鮮は加入している国連児童権利条約によって、履行報告書を作成して提出しなければならないが、1996年に最初の報告書を提出した後、延期したり形式的に提出するだけだった。また、来年1月23日にも第3・4回定期報告書を提出しなければならないが、提出する可能性は低い。
したがって北韓人権市民連合とアジア人権センターが作成した今回の代替報告書は、これに代わる記録になるだろう。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面これについて、今回報告書の作成で中心となった市民連合のイ・ヨンファン調査研究チーム長は、「(北朝鮮の)ひんぱんな(報告書の)提出の延期と、1997年の報告書提出拒否宣言、形式的な報告などのため、国連も北朝鮮の義務の不履行に目をつぶってやるしかないのが実情」と語った。
更に、「今回の代替報告書について国連児童権利委員会の関係者が非常に高い期待と関心を見せ、北朝鮮の代浮熬閧゚られた手続きに従って報告書を読むことになるため、北朝鮮政府にも私たちの憂慮と勧告事項がそのまま伝わるだろう」と期待した。
また、「北朝鮮はこれまでの報告書で、『子供は国の王』であり『国の宝』としてよく世話をしていると主張しているが、現実は非常に悲惨だ」と付け足した。