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韓国では旧正月をむかえ、国全体が日本で言うところの「正月ムード」が漂っている。韓国に定着する脱北者たちも同様だ。

友人と楽しく過ごす脱北者たちもいる一方で、故郷の北朝鮮を思い出して寂しく過ごす脱北者もいる。

定着した脱北者が、北朝鮮出身の友人たちと会うのは、正月や秋夕(旧盆)の時ぐらいだ。お互い様々な職場に務め、韓国社会に定着するために慌ただしい日々を送っている。

学生達は、受験勉強や就職活動のために忙しく、ゆっくり「故郷の友」に会う時間もままならない。

しかし、旧正月や秋夕の時ぐらいは、集まって楽しく笑って過ごす。知らなかった北朝鮮のニュースやそれぞれが経験した「韓国定着苦労話」を披露しながら思いを共有する日である。

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もちろん恋人は恋人同士で、結婚した脱北者は夫婦で正月を祝いながら過ごす。

北朝鮮では、男性は主に男性同士で、女性は女性同士で集まりをする。同窓会などで男女が集まることはあっても、ほとんどの祝日は男女別々だ。

しかし、韓国では北朝鮮のように男女の垣根もなく、色んな場で知らない異性も同席する。そこから思わぬ出会いが生まれることもある。

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就職活動をしている脱北者のパク君(仮名)は「北朝鮮では、友達同士の集まりに新しい友人を連れて行くと嫌がられますが、韓国ではむしろ歓迎されますね。今年の正月にも、ある集まりで僕の恋人が友人の女性を連れてきたが、脱北者の友人は大喜びでしたよ」

また、韓国の友人と南北の正月文化の違いを楽しむこともあるという。

「韓国の友人がいる席でも、南北の正月の違いを分かち合いながら過ごすこともあります。北朝鮮と韓国では経済的に格差がありますが、若い人たちはそんなことを気にせず、お互いの話に花を咲かせます」

故郷の北朝鮮を思い出して「ふるさとの味」

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正月の連休中に、わざわざ北朝鮮の料理を作って故郷に思いを馳せる脱北者もいる。代表的な「ふるさとの味」は、お雑煮と北朝鮮式の餃子、人造肉ご飯。咸興冷麺なども欠かせない。

北朝鮮の正月の時期、若者達は集まりのために、両親にお金(会費)をせびらなければならないが、韓国ではそういった煩わしいことをしなくてもいいので気分が楽だという。

脱北者の大学生キム・ソンイル君は次のように語った。

「北朝鮮のいる時は、正月や秋夕のたびに友人との集まりのため母にお金をせびって申し訳なかったです。仕事をしても給料も少なかったし・・・。韓国で一日仕事でも精算して給料がもらえることもあるので、母にお金の心配をかけずに済みます」

ここで紹介した脱北者の若者たちも、決して韓国で経済的に楽に過ごしているわけではない。しかし、友人同士で気軽に集まることが出来ない北朝鮮と比べると、自分のお金で自由に集まって過ごせる韓国社会は、やっぱり楽しいようだ。

20150212北朝鮮の人々
北朝鮮の人々(本文とは関係ありません)