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中国産の生活必需品が北朝鮮の総合市場を荒しているということは既にかなり知られている。その主役を果たしているのが華僑の仲介商たちだ。

しかし、華僑は北朝鮮に生活必需品だけを供給するのではない。北朝鮮で生産される海産物、農産物(山菜、薬)、石炭、鉱物を中国に輸出する仲介貿易もする。

特に貝のひものは中国で沢山売れる。華僑が貝の干物を沢山運んで行き、価格も上がり、北朝鮮の住民の重要な生存手段になっている。平安南北道の海岸地帯の住民は、毎年4〜9月まで干潟で潮干狩りをする。貝の干物1キロで米10キロを買うことができる。このため、他の地域の住民もここに来て潮干狩りをする。

もし華僑が生活必需品を持ちこまず、北朝鮮産の1次商品を中国に輸出しなければ、ただちに市場の生活必需品の価格が急上昇する。それほど、既に北朝鮮の住民の生活と華僑の活動が密接につながるようになった。

情報流通の伝令士の役割も大

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華僑が市場の安定化に寄与するからといって、北朝鮮政府にとってもっぱら良い存在というだけではない。

2004年4月に起こったヨンチョンの爆発事故の時、この消息を真っ先に外部に知らせたのも華僑だという。

当時、中国の丹東で爆発音を聞いた華僑が、家族の生死を確認しようと携帯電話で新義州とヨンチョンにある家族と通話し、爆発事故がいち早く外部に知られた。鴨緑江の河口にある丹東の開発区の新市街地からヨンチョンまでは、直線距離でわずか10km程度。

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このため、金正日は北朝鮮国内で携帯電話の使用を全面的に禁止させてしまった。この間、北朝鮮政府が恐れている内部消息の流出と、外部の情報の流入を、華僑がかなり行ってきた。

最近、華僑らは北朝鮮にいる家族を訪ねる脱北者から20%の斡旋料をもらい、ドルを送金してやる役目も果たしている。脱北者が1千ドルを渡せば、2百ドルをとって8百ドルを家族に送るやり方だ。

華僑は中国国内での居住地と身分が確かで、中朝国境を自由に出入りすることができ、脱北者も華僑を好む。彼らを通じて北朝鮮の国内の家族と書信を取り交わして送金もできる。

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こうした状況を見ると、華僑は商売ばかりするのではなく、北朝鮮という閉鎖社会に外部世界の情報を伝達してくれる伝令士の役目も十分に果たしているのだ。

暮らすために市場に依存する北朝鮮の住民と、市場に物品を供給する華僑の間の取り引きが持続する限り、北朝鮮の市場は更に成長するだろう。また、北朝鮮の住民の市場での活動も一層活発になるだろう。

お金のためなら悪魔とも取り引きを成功させるすべを知っているという華僑が、今後の金正日政権にとって薬になるか毒薬になるかは、時間をかけて見守らなければならないだろう。(終り)