申東赫氏の自伝「収容所に生まれた僕は愛を知らない」の英語版の表紙
申東赫氏の自伝「北朝鮮14号管理所からの脱出」の英語版の表紙

「自殺すらも考えた」と語る申東赫氏

脱北者の申東赫(シン・ドンヒョク)氏の証言に一部誤りがあった問題で、申氏自身と彼の自伝の著者がその理由を語った。

申氏は16日のロイター通信とのインタビューで、あまりにも辛い記憶だったので真実を述べる勇気がなかったと述べている。

証言の一部を訂正したことで、激しい批判にさらされた申氏は、辛さの余り自殺すらも考えたと明らかにした。しかし、申氏はこれ以上の証言の訂正は行わない、北朝鮮の人々の苦痛は今後歴史が証明するだろうと語った。

証言を一部変えた原因は「自責の念」

アメリカのワシントンで17日に開かれた、北朝鮮人権問題解決のための国際討論会に出席したブレイン・ハーデン氏。申氏の証言を元にした自伝『北朝鮮 14号管理所からの脱出』の著者だ。

申氏が証言を変えた背景としてハーデン氏は、母親と兄を密告して彼らが殺人を犯したとの虚偽の調書に署名するなど、肉親を裏切り、死に追いやったことについて自責の念を抱いていたことを挙げた。

ハーデン氏は、申氏がひどい拷問を受けて、トラウマ(心的外傷)を抱えている人に特徴的に現れる「体験の一部を記憶から脱落させてしまう」現象が、証言の間違いにつながったと述べた。

また、申氏が証言の一部を訂正したきっかけについて、ハーデン氏は、申氏の父親が登場した北朝鮮の映像を見たことがきっかけとなったと述べた。