柳氏は、米国のクリントン元大統領の訪朝を実現するなどして、保衛部で足場を固めたとされる。正日氏は柳氏の実力を認め、張氏を含めた側近の動向を監視させていたようだ。
脱北した元外交官の高英煥(コ・ヨンファン)氏は、韓国メディアに次のように語っている。
「張成沢は国家安全保衛部を面倒に考えていた。柳敬が処刑され、禹東測(ウ・ドンチュク)保衛部第一副部長も自殺したことで、面倒な人間がいなくなった。これは張成沢と、妻の金慶喜(キム・ギョンヒ)が仕組んだ可能性がある」
禹東測氏は正日氏の葬儀の際に棺を運んだ7人の中の1人だったが、2012年4月に張氏によって自殺に追いやられたと伝えられている。7人のうち高齢の崔泰福(チェ・テボク)氏、金己男(キム・ギナム)氏以外はすべて権力の座から姿を消した。
しかし張氏本人も2013年12月、正恩氏によって粛清されるハメとなった。さらに最近になって、張氏粛清を主導したグループのひとりとされる馬園春(マ・ウォンチュン)国防委員会設計局長も姿を消している。
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