北朝鮮の高位級幹部達が、病気治療のため中国を訪問するケースが増えているという。

李雪主夫人と大城山病院を訪れた金正恩氏
李雪主夫人と大城山病院を訪れた金正恩氏

北朝鮮は、常日頃から自国の「無償医療制度」を自慢してやまないが、幹部自らが信用していないようだ。治療のためにわざわざ訪中する幹部達について、中国の情報筋は、デイリーNKに次のように語った。

「実力があって金銭的に余裕のある幹部達が、ガン治療のため訪中するケースが多い。もちろん、中国でも保衛部の監視の目は光っているが、それを避けながら優秀な医師を探している」

「幹部達本人だけではなく妻たちも中国へ行く。ガンになって平壌で治療を受けたとしても、その後遺症を防ぐためだ」

「韓国人の治療を受けたら後々問題になる可能性もあるが、それでも評判が良いことから『韓国人ドクター』の治療を望む」

この噂が北朝鮮国内でさらに広がったことにより、北朝鮮の富裕層や幹部達はなんとかして中国を訪れて、韓国人の治療を受けようとしている。また韓流ドラマを通じて「韓国人ドクターの実力は高い」と認識しているようだ。

平壌でもある程度の医療技術はあり、癌などの難しい手術も無難にできるが、医療施設が遅れていることからアフターケアが不十分で死亡するケースが多い。こうしたことから「中国の韓国人ドクター」が注目されていると情報筋は伝えた。

評判のいい韓国人ドクターをもとめて中国へ

北朝鮮の幹部達は、優秀な医師がいる中国内の病院を探し回る。そのせいか、評判のいい韓国人医師が勤務する病院では幹部達の姿を簡単に見ることができるという。

基本的に、韓国人が中国で病院を設立することはできない。しかし、クリスチャン系の福祉病院などの医師は、韓国人に限らず中国国籍以外の外国人が勤務する。また、北京、上海などの大都市では宣伝も兼ねて病院が韓国ドクターを招く。北朝鮮幹部達は、こうした大病院を訪れるのだ。

「幹部たちは、治療代が安い福祉病院ではなく、少々値が張っても大都市の有名な病院に行きたがる」(情報筋)

北朝鮮が誇る「無償医療制」は事実上、崩壊しているといっても過言ではない。医薬品、手術器具、医療機器など不足しており、仮に治療ができてもワイロが必要であったり、薬などは市場で購入しなければならない。

大都市の幹部などは、比較的マシな治療を受けられるはずだ。それでも自国の医療技術を信用せず、わざわざ訪中して敵国の「韓国ドクター」を探し求めるぐらいだから、なにをかいわんやである。

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