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旧東ドイツの首都・ベルリンにある北朝鮮大使館が意外な使われ方をしているという事実を、現地を訪れた日本人男性がデイリーNKジャパンに訪問記を寄稿してくれた。男性がそこで見たものとは。

ベルリンにある「シティホステル・ベルリン」とは?

今回、私が訪れたのはベルリンにある北朝鮮大使館です。なぜか今はユースホステルになっているとの情報を仕入れたことから、気にはなっていました。

ただ、それも今ははるか昔の話。まさか、もうとっくに潰れているだろうと思いダメもとでネットを調べて見るとホテルのブッキングサイトにフツーに出てくるじゃないですか!

「これは行くっきゃない」と早速予約して向かいましたよ、ベルリンへ。

事前にサイトで調べた通り、ベルリン中心部にあるユースホステルは地下鉄駅からも近くアクセスはかなりいいです。そしてガイドブック通りに行って見ると、実際にありましたよ、「シティホステルベルリン」。

ベルリン大使館1
右側の看板には「朝鮮民主主義人民共和国大使館」と書いてある。
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驚かされたのが、なんと現役の北朝鮮大使館の横に建っているのです。話を聞いてみると、元々2棟あった大使館の1つが譲渡され、ユースホステルに変身したとのこと。同じ敷地内に北朝鮮大使館とユースホステルが混在する世界的にも非常に珍しい風景です。

ベルリン大使館2
掲示板に貼ってあった故金日成主席に関する記事。

大使館の壁には役所にある「お知らせ」のような掲示板があり、故金日成主席に関するの記事が貼ってありました。しかし、金正日総書記や金正恩第一書記に関する記事は一切見られませんでした。

東独時代のドイツは、北朝鮮とも関係は良好だったことから、まだ金日成氏の存在を知る年配の方々は多いのかも知れませんね。

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ホテルの中はいたって普通。ただ大きなロビー、大きな階段はユースホステルというイメージからはほど遠く、やはり社会主義風なものを感じてしまいました。そして部屋にチェック・イン。

この大使館では、かつて北朝鮮の対欧州工作活動が行われていた(今も?)という物騒な噂があります。もしかするとこの部屋でも、誰かが拉致・監禁・拷問・洗脳・懐柔されていたのかなぁとか複雑な思いに駆られながら、窓を開けたとたんまたもやびっくりさせられました。

ベルリン大使館4

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目の前にドーンッ!と現れたのは北朝鮮大使館。

ベルリン大使館5
右の赤い花は「金正日花」の代用品か?

宿舎っぽい部屋のベランダに赤い花やビール箱などが見られます。

「あの赤い花は、きっと将軍様のために作られた『金正日花』の代用品に違いない。さすがチョソン(北朝鮮)の人民大衆。遠いドイツの地に来ても将軍様への熱い思いだけは変わらないのだ!!」なんて感慨に浸る宿泊客は、世界広しといえども私のようなチョソンクラスタ(北朝鮮マニア)ぐらいでしょう。

翌日、朝食時にレストランへ行って見ると…。

ベルリン大使館3
フツーに朝食する各国のツーリスト達。まったく北朝鮮には興味がないようです。

たくさんのバックパッカーの姿が見られましたが、誰も横の北朝鮮大使館に関心がなさそうそうです。

行く先々で目をギラギラさせながら、北朝鮮っぽいモノを追い求める私からすれば、いつか北朝鮮大使館員とこのレストランで飲める日が来たらなぁ〜なんて思いましたが、やっぱり無理でしょうね。

これからも「北朝鮮を求めて三千里馬」の精神で、世界各国に散らばる北朝鮮の話題を探し求めて提供したいと思います。

(文/さすらいの総書記系ツーリスト)

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