米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は6日、北朝鮮の労働党幹部や行政部幹部の間で「プーチンコート」と呼ばれる冬服が流行っていると伝えた。

かつては「プジャン(部長)コート」と呼ばれていたコートが、「プーチンコート」と呼ばれて販売されているという。ロシア大統領の名前を商品名とすることで、その知名度にあやかる「宣伝効果」を意識しているようだ。

韓国でトレンチコートを「バーバリーコート」、日本でシャネル型スーツを「シャネルスーツ」と総称するのと似たような発想だと思われる。「宣伝効果を狙った商品名」という市場では当たり前の販売戦略が、北朝鮮でも徐々に浸透していることの表れといえるだろう。

富裕層女性にはフェイクファーのミンクコートが大人気

プーチンコートは、150ドルから200ドルで販売されているとされるが、庶民には高嶺の花だ。それでも、その出来映えの良さには中国人貿易業者からも賞賛の声が出ているという。

なかには「コストパフォーマンスを考えると中国製よりも質がいいのではないか?」との声もあり、「北朝鮮が開放されたらアパレル産業は成長する」と中国人貿易ビジネスマンは期待している。

ロングコートを着た金正恩氏とファー付きのコートを着た金与正氏
ロングコートを着た金正恩氏とファー付きのコートを着た金与正氏/2015年2月5日付労働新聞より。本文とは関係ありません。

一方、北朝鮮の富裕層の女性たちの間では、フェイクファーのミンクコートが流行っているとのことだ。価格は200ドル程度。中国からフェイクファーの生地を輸入して製造されるが、こちらも縫製が丁寧なことから外貨ショップに並べても遜色のない出来だという。

北朝鮮で、衣料品製造が盛んになっている背景には、男女のニーズの多様化と、それを見据えて庶民が家庭内で営む「家内手工業」が一般化していることが見逃せない。(【関連記事】意外と高くつく北朝鮮投資「コストが高くワイロまで必要」

RFAによると、北朝鮮南浦(ナムポ)市の縫製業者は、2000年初めから日韓の既製服をベースに衣料品を製造。中国との貿易を通じて莫大な利益をあげたという。市場が開放され、想像以上にクオリティの高い製品を作り出す北朝鮮庶民の技術力に驚く日が来るのも、そう遠くないのかも知れない。

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