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万が一、正恩氏が「化粧品戦闘」で世界制覇の野望をもっていたとしても、残念ながらその前途は明るくない。なぜなら、北朝鮮ですら「銀河水化粧品」の人気が高くないからだ。

昨年の8月、朝鮮総連の機関紙である朝鮮新報は、平壌市内で北朝鮮の化粧品ブランドの人気ランキングを調査した映像を配信した。その結果、最も人気があったのは「ポムヒャンギ(春の薫り)」で、次ぎに「未来」「開城高麗人参」と続き「金剛山」と「銀河水」は最下位だった。

映像では、「平壌第1百貨店」の店員が「ウナス(銀河水)とポムヒャンギを扱っているが、一番人気はポムヒャンギです。私も使っている!」とコメント。「ポムヒャンギ6種桃色セット」が肌艶と保湿にいいとの声も聞かれた。

しかし、北朝鮮で本当に人気があるのは密かに売られている「韓流コスメ」なのである。(関連記事

真の化粧品チャンピオンは韓流コスメで、公式市場ランキングでも人気がない「銀河水」。それにもかかわらず、なぜ金正恩氏はイチオシするのだろうか…と考えているとピン!ときた。

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「銀河水」といえばセックス・スキャンダルで解散させられたという噂のある「銀河水管弦楽団」だ。そして、「銀河水管弦楽団」には、金正恩氏の夫人・李雪主(リ・ソルチュ)氏が歌手として所属していた。

もしかしたら「銀河水」とは李雪主氏のことであり、だからこそ正恩氏は銀河水化粧品をイチオシしている?だの何だのと論じるのは、深読みしすぎだろうか。

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高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記