キム・スンヒ「奉山仮面劇」 @スプリング・タイム財団
キム・スンヒ「奉山仮面劇」 @スプリング・タイム財団

各地で開催される北朝鮮絵画展

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最近、北朝鮮絵画展が世界各地で催されている。昨年11月にはロンドンの北朝鮮大使館で大規模な絵画展が開かれた。また、中国では大都市、中都市での北朝鮮絵画展が開かれている。今年に入ってから開催されただけでも瀋陽、済南、長沙、太原、紹興、そして現在開催中の石家荘まで含めるとすでに6回だ。

韓国でも北朝鮮絵画展が3月6日までソウル郊外の高陽(コヤン)市にあるKINTEXで開催中だ。

今回の展示にはソヌ・ヨン(故人)、チョン・チャンモ、キム・スンヒなど北朝鮮の画家70人の150点の絵画が展示されている。これらは北朝鮮絵画としては世界最大規模の2500枚に及ぶ個人所蔵のコレクションの一部だ。韓国でこれほどの規模で北朝鮮絵画展が開かれるのは今回が初めてだ。

今回の絵画展を主催するスプリング・タイム財団の代表でオランダの美術商フランス・ブレルセン氏は2005年から2010年にかけて北朝鮮を7回にわたって訪問し、作品を収集した。彼の収集した作品は主に風景画、人物画など印象主義の作風を彷彿とさせる画法の作品が多い。

これらは万寿台創作社出身の画家の作品だ。万寿台創作社とは北朝鮮の一流芸術家を集めて金氏一家の偶像化作業に使われる作品を作るところだ。絵画のみならず金日成氏や金正日氏の銅像、刺繍、陶磁器などを制作している。

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ブレルセン氏はウォール・ストリート・ジャーナルに対して「作品を見ればわかるように今回の絵画展の目的は政治的なものではない」と語っている。

だとすると今回の絵画展の目的は何なのだろうか?

結局美術は金稼ぎの手段?

AFP通信は「収集か?真意を隠しての金稼ぎか?」と辛辣な表現を用いてブレルセン氏の手法を批判している。

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ブレルセン氏は「今現在、北朝鮮の絵画を扱う市場は存在しない」「この巨大なコレクションは朝鮮半島が統一して市場が開放されて価値が急騰することを考えた長期投資だ」「我々は慈善事業家ではない」と収集よりも投資に焦点を置いていることを認めた。

ブレルセン氏は1991年のソ連崩壊前後に大量のロシアの作品を買い付けて、美術市場の形成に合わせて高値で売り払い財産を築いたことで知られている。

オランダのライデン大学の北朝鮮美術専門クーン・デ・ソーステル教授はAFPに対して次のように語った。

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「北朝鮮から来た絵画だからと言って北朝鮮を代表する絵画とは言えない」

「彼らは外国人の好む絵画を多く『製造』『供給』しているだけで芸術的価値があるのかは疑問だ」

つまりは美術で金を稼ぎたい北朝鮮とブレルセン氏の思惑が一致した結果が、今回の韓国での絵画展であるとの指摘である。

ロンドンの北朝鮮大使館での絵画展で、BBCのインタビューに答えた北朝鮮の画家ホ・ジェスン氏はこう答えた。

「何を描きたいかは自分たちで決める。我々は完全な芸術の自由を享受している」

いずれにせよ、彼らの描く絵にどのような価値があるのかを知るためには、作品が多くの人の目に触れることが必要だ。そういう意味では、韓国での絵画展も貴重な機会と言えるかもしれない。

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