DNKF_13550_159315_1422146548_iライフスタイルも考え方も違う韓国「当初は脱北を後悔」

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「韓国が豊かな国になったのは人々が一所懸命働いて努力したからだと思います。自分も一所懸命働けば豊かになれると思うと希望がわいてきます」

全羅南道(チョルラナムド)の珍島(チンド)で鴨の飼育をやっているキム・ウィソンさん。丹精込めて築き上げた合鴨の飼育場は、彼にとって大きな夢の原動力だ。

金さんが脱北したのは2004年。第三国を経て命からがらその翌年に韓国に入国した。しかし、多くの脱北者がそうであるように、韓国社会に馴染めず安心感より後悔が先だったという。

「同じ民族だと言っても、生活方式も考え方も全く違うので辛かったです。仕事も、内装工事、露天商、日雇い労働者など転々として一時期は身も心も疲れ果てていました」

金さんは、「このままではいけない」と心機一転。田舎で農業を始めた。ところが、金さんは北朝鮮でやっていたように人力で畑を耕して苗を植えた。機械化された韓国の農業には太刀打ちできるわけがなく、無一文になってまたソウルに帰らざるをえなかった。

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挫折と絶望の淵にいた金さんだったが、彼の目に止まったのが「合鴨の飼育」だった。

業者にも認められた優秀な出荷率 娘夫婦も鴨の飼育に

「他の家畜も考えてみたんですが、初期投資も莫大で出荷できるまでの期間が長くてとても手が出ませんでした。でも、合鴨だったらひよこから育てて40日ほどで出荷できることがわかったんですよ。これだ!と思いました」

しかし、問題は金と土地だった。妻が必死の思いで稼いだ4000万ウォン(今のレートで約460万円)が全財産だった。それでは2?3億(2200万円〜3300万円)もする飼育場はとても買えない。しかし、妻の誠実な働きぶりを見ていた知人たちがお金を貸してくれてようやく老朽化した飼育場を手に入れることができた。

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「かなり長い間放置されていた建物でしたが、構造はしっかりしていたので修理すれば使えると思いました。手当たり次第にいろんな仕事をして経験を積んでいたので修理は朝飯前でしたよ。むしろ楽しくて朝から晩まで我を忘れて修理に熱中していました」

数ヶ月で修理が終わり、2013年から合鴨の飼育を始めた。初めはわからないことも多くミスもしたが、近所の畜産農家を訪ねて聞いて回った。そのおかげで飼育は順調に進み無事出荷にこぎつけた。そして、買取業者からもお墨付きを得た。

「初出荷の時に買取業者から、『今後も仕入れたい』と言われた時は嬉しくて、嬉しくて・・・ました。他の出荷率は95%ほどだけどうちは99.8%だったのでびっくりされたんですよ。嬉しさのあまり天に舞い上がる気分でした。今までの苦労が報われました」

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その姿を見て娘夫婦も近所で合鴨の栽培を始めた。何か問題が起きれば助けに行ったりアドバイスするほどまでになった金さん。

「韓国は『為せば成る』の国ですよ」

「目の前につらいことがあっても勇気を失わず成功した他の人を見て学ぶべきことを学び訪ねるべきところがあれば訪ねて教えを請います」

最後に金さんは脱北者たちにアドバイスした。

「あんな大変な思いをして韓国にやってきたわけだから、もう少し勇気を出しましょう。目標を設定して絶対にあきらめずに最後まで頑張ってみましょう」