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北朝鮮が「森林荒廃(森林破壊)」に危機感を強めていることがわかった。労働新聞は19日、1面に掲載した「森林の回復は、先送りにできない崇高な愛国事業である」という社説を通じて森林破壊が深刻であることを強調した。

北朝鮮では90年代に北朝鮮全土を襲った経済難「苦難の行軍」によって森林破壊が進んだ。「薪としての燃料」「外貨稼ぎのため森林を伐採して中国へ売却」「干ばつ」「山間部を畑にする」などの複数の要因によって多くの山が「はげ山化」した。森林破壊が北朝鮮社会に及ぼした悪影響に関しては北朝鮮当局も以下のように指摘している。

「森林荒廃による被害が大変である。過去10年余りの間、わが国の多くの地域では梅雨時に地滑りや洪水で数多くの農耕地が失われ住宅、公共の建物、道路や河川、鉄道が甚だしく破壊され、大きな物質的・経済的損害にあった根本的原因はまさに山に木がないからだ」

そのうえで、10年以内に全国のすべての山を樹林化しなければならないと主張する。

「日が経つにつれはげ山の土地はますます退化していき、そのような山々に再び木を植え、成熟させるには数十、数百倍の労力が必要だ。まさに、このようなことから党(朝鮮労働党)は、森林の回復を生きるか死ぬかの勝負を決する銃砲声なき戦闘に位置づけ、自然との戦争を宣言した」(2015年1月19日付労働新聞より)

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同新聞は、国家が森林事業に力を入れているにもかかわらず相応の成果がないのは、各地域の担当部門が敗北主義に陥っているからだと厳しく批判しながら「敗北主義は今日の森林回復の戦闘で徹底的に警戒すべき危険な思想要素」と強調した。

金正恩氏は、2015年の「新年の辞」でも「森林の回復戦闘を力強く繰り広げ祖国の山々を緑の森に覆われた黄金山に転換させなければならない」と全国の樹林化事業を強調している。

しかし、北朝鮮の森林破壊は経済失政の後遺症だ。経済政策の失敗を総括することなく、いくら「自然と戦争をする!」「森林を回復せよ!」と進軍の太鼓を鳴らしたところで空文句に終わることは火を見るより明らかだ。

中朝国境から見た北朝鮮の山
中朝国境から見た北朝鮮の山