金正日が軍部隊2ヶ所の視察に続き、中央芸術団体の公演を観覧したと、朝鮮中央通信が6日朝報道した。

中央通信はこの日、金正日が兵士たちと一緒に功勲国家合唱団など、中央芸術団体の芸術家の公演を観覧したと伝えたが、公演の場所や日時については公表していない。

この日の公演では功勲国家合唱団と天の川、万寿台芸術団、ピバダ歌劇団、国立民族芸術団など、北朝鮮で正統音楽や舞踊を公演してきた芸術団体らが参加した。天の川という名前の芸術団体はこの日初めて公開された。

公演では合唱「敬礼を受け取ってください」、男性独唱と合唱「同志愛の歌」、管弦楽と合唱「雪が降る」、女性3重唱「カンソンの日暮れ」、女性4重唱と混声合唱「繁栄せよ、祖国よ!」などの公演があったと中央通信が伝えた。

金正日は公演観覧後、「最近新しく創作された『雪が降る』『繁栄せよ、祖国よ!』『カンソンの日暮れ』などは主体思想音楽の発展に画期的な意義を持つ、先軍時代の優れた記念的傑作だ。こうした成果を今後党の文芸方針の正統性や生活力へ繋げるべきだ」と話したという。

この日の公演は労働党中央委のチェ・テボク、キム・キナム秘書、張成沢行政部長、リ・クランホ党中央委部長、キム・ヤンゴン統一戦線部長、ヒョン・チョルヘ、リ・ミョンス大将などが一緒に観覧した。

北朝鮮メディアは2日、金正日が北朝鮮軍の万景峰チームとツバメチームのサッカー試合を観戦したと伝えた。3日後の5日には、人民軍第2200部隊と第534部隊の直属中隊の視察に続き、大勢が集まった場所で公演を観覧したと報道した。

9月9日の建国記念60周年の労農赤衛隊の行進などの記念式典を欠席した後、北朝鮮国内はもちろん、国外にも広まっている健康悪化説を完全に払拭するために力を注いでいると見られる。健康が回復し、正常な国政運営ができることを誇示する動きを続けている。

特に、2日に公開した北朝鮮軍のサッカー試合の観戦写真では、左手が不自然に見え、健康悪化説を払拭することができなかった。そのため、5日に公開した団体写真2枚では、左手もポケットの中に入れず、まっすぐ立っている。

北朝鮮が公開した写真の中には、左に麻痺があると思われる金正日が拍手したり、両手を後ろに組んだりして訓練を視察する写真も含まれている。右手を上げたり右の腕を肩の上に上げたまま軍幹部と話しているものもある。

サッカー試合観戦写真の不自然な姿への指摘を意識して撮った写真と思われるが、左手をまっすぐ肩の高さまで上げた写真はない。しかし、手を後ろに回したり、歩いたり、拍手をしたりする写真は8月14日の軍部隊視察報道以来、83日ぶりに公開された。

金正日はこの日、グレーのジャンパーに薄いブラウンのズボンを履いてサングラスをかけているが、かかとの高い靴の代わりに普通の靴を履いている。

長期間伝えなかった金正日の外部活動の報道を再開した後、報道の度に北朝鮮は、他国のメディアの疑問を解明しようとしているかのようだ。

しかし、今回の軍部隊視察の写真も、金正日の健康悪化説を完全に払拭することはできなかった。

金正日は写真では右手をあげているが、左手は1回も上げていない。拍手をするときも右の手のひらはまっすぐ広げているが、左手は指が不自然に曲がっている。また、拍手の時左手を右手が叩いており、深刻ではなくても異常はありそうだ。

北朝鮮はこれからも、金正日の健康悪化説を払拭するために、護衛総局が管理する平壌近郊の軍部隊などで撮った写真を公開するなど、演出を続けると思われる。